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色のバリアフリーと色覚検査について

公益財団法人日本学校保健会の公式ホームページを見ていたら「色のバリアフリー」という言葉が目に入りました。15535660765_b5e8038721_m
また、カラーユニバーサルデザインという言葉も最近では浸透してきています。
このカラーユニバーサルデザインとは、人間の生まれつきの色の感じ方(色覚)を大きく5つの型(タイプ)に分け、それぞれの色覚型の色の感じ方の特徴を表し、その多様性に配慮しながらより多くの人に利用しやすい配色を行った製品や施設・建築物、環境、サービス、情報を提供するという考え方を言います。
今、島田市では幼児から中学、高校までを対象とした「色覚検査」についての検討がなされております。
ではなぜ「色覚検査」が必要になるのでしょうか?
その経緯は以下のとおりです。

平成14年3月、学校保健法の施行規則が改正され、学校での色覚検査の施行義務はなくなりました。
これによって学校では任意検査となり、且つ保護者の同意を得て行うという前提条件がつきました。
この結果、平成15年に小学4年になった児童は、色覚検査を受けることなく平成23年4月に高校3年となり進学、就職と道を歩んでいる方が大勢います。

自らの色覚異常を自覚していない者と、 色覚検査により自分の色覚異常の特性を知っている者では、色誤認による作業ミスの頻度は異なってきます。
個性を尊重するという視点から学校での色覚検査の施行義務がなくなり、時には人命にかかわる様な決定的な過ちを起こしてしまうケースも発生していることも事実です。

「色覚異常」は学術用語です。「異常」という言葉には抵抗を感じ「色覚障害」という表現も使われますが「障害」という言葉も良い印象を与えていません。
もっと受け入れられやすい「色のバリアフリー」という言葉で社会全体がそれぞれの個性を受容できる基盤を構築したいものです。
平成14年の学校保健法で採決されたもう一つのポイント。
それは、教職員さんの色覚異常についての正しい知識の必要性です。
教職員さんのひとりひとりが、色の見え方が他人と異なる児童生徒にも不都合のないよう、教育活動の全般にわたって児童生徒に接することが重要とされます。
色の見え方が他人と異なる児童生徒が特別視されたり、劣等感を抱いたりすることのないよう常に配慮し、
どの児童生徒も将来に希望をもち、自己の個性・能力を伸ばすことができるような指導が必要とされます。
教職員さん以外の人たちもこれを機にカラーユニバーサルデザインについて学び、様々な原因で色が違って見える人たちに、色によってもたらされる情報をしっかりと伝えていくことができたら幸いです。
当院長は島田市の学校医として学校及び島田市の職員さん達と子ども達の「色覚検査」の実施方式について話し合いを重ねています。進展はホームページを通じてお知らせいたします。
保護者様においてはお子様の進路に欠かせない検査ですので何かご不明な点は何なりと当院までお尋ねください。

参考資料:
学校保健:http://www.gakkohoken.jp/themes/archives/7
NPO法人 カラーユニバーサルデザイン機構:http://www2.cudo.jp/wp/
公益社団法人日本眼科医会:http://www.gankaikai.or.jp/health/50/

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