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第46回日本眼科手術学会レポート

I)眼形成、手術の基本主手技 局所麻酔は、注射する前に声掛けをすることで、痛みを緩和することができる。 キシロカインの持続時間は約1時間程度である。 退行性内反症の切開は、眼瞼縁から4から5センチメートル離す。 眼瞼の切開実は15-Cのメスが適している。切開の際は皮膚のどの層を切開しているか意識する。 縫合糸には、7-0ナイロンを用いることが多い。針には逆三角針を用いる。 術中の動脈性の出血はモスキートで挟んでその周囲を焼灼する。 抗血栓薬を内服している場合は、可能であれば数日中止する。 術後抗生剤の内服は原則しないがタリビッドの眼軟膏を1週間1日6回程度行う。 術後、抜糸は5日以降に行う。 再手術が必要な場合は、組織が瘢痕化する以前の2週間以内に行う。 2)義眼について 重くて、厚い義眼は、義眼床や眼瞼の変形をきたしやすい。このため、理想的な義眼は、軽くて薄いものが理想的である。このためには義眼台が必要。 外来で義眼観察する際には義眼を外し、炎症や感染がないか確認する。外れやすくなっていないかも確認する。悪性腫瘍などで、義眼になったケースでは腫瘍再発のこともあるため、疑いがあれば画像診断も行う。 義眼はPMMA製のものが多いため、1日1回ハードコンタクトレンズ洗浄液等で洗浄する。義眼の耐用年数はおおむね2から4年である。条件によって公的補助も受けられるため確認が必要。 小児では、眼球摘出の際に、義眼を入れずに放置すると眼窩の発育不良につながる。このため、なるべく大きな義眼を挿入し、徐々に大きいサイズにこまめに変更していくことが必要。 3)眼瞼腫瘍について 良性腫瘍では、母斑、脂漏性角化症が主である。悪性腫瘍では脂腺癌、基底細胞癌、扁平上皮癌が多い。悪性腫瘍の特徴としては腫瘍に向かう異常血管を認める。腫瘍部位の睫毛が脱落している。表面が凸凹である。ただし、霰粒腫などに類似のものもあるため注意が必要。眼瞼を必ず翻転して確認することが重要である。   遺伝性網膜疾患診療のコツ おおるり眼科クリニック 院長 鈴木徹

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