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遺伝性網膜疾患診療のコツ

先日、令和2年8月22日、第75回静岡県眼科医会集団会、Web参加しました。

特別講演「遺伝性網膜疾患診療のコツ」

講師名古屋大学附属病院上野真治先生を拝聴しました。

 

疾患に使用する有益な機器として

1:OCT(網膜三次元画像解析)

2:OCT Angiography

3:広角眼底カメラ及び自発蛍光(F A F)

4:ハンフリー自動視野計(10-2プログラム)

5:全視野ERG(網膜伝図)、多局所、局所ERG

を活用されているそうです(当院では1〜4までの機材を導入しています)

FAFはRPE(網膜色素上皮)の異常所見を観察する装置です。

①FAFで暗くうつるAreaはRPEの機能が障害されている部位となります。

②FAFで過蛍光のAreaはRPE内のリポフステン蛍光物質が処理できない部位であるRPEの機能が低下していることが予想されます。

 

次にRP(網膜色素変性症、夜盲症、鳥目)のお話をしていただきました。

RPに腎疾患をはじめ様々な疾患を合併する一群の疾患をCiliopathyと呼ぶそうです。

RPの治療では現在、人工網膜ips細胞移植、遺伝子治療が行われつつあり、更に遺伝子治療は他の網膜変性疾患に対しても研究されているようです。

 

黄斑ジストロフィー(遺伝学的な原因によって網膜の黄斑部がゆっくりと障害され、両眼の視力低下や視野異常を生じる病気の総称)は7疾患があり、

・※Best病(卵黄様黄斑ジストロフィー)

・※オカルト黄斑ジストロフィー(三宅病)

・Stargardt病(※スターガルト病)等について解説していただきました。

※Best病;緩徐に進行する黄斑部の網膜色素上皮を障害す遺伝性疾患で初期には卵黄様の所見が見られる。

※オカルト黄斑ジストロフィー;遺伝性及び散発性の黄斑部変性症で眼底所見には異常が認められません。

※スターガルト病;患者数が少ない網膜の遺伝性疾患であって若年性の黄斑変性とも呼ばれ、8千~1万人に1人がこの病気にかかると推定されています。

 

この他、先天性網膜分離症、後天性網膜疾患(MEWDS, AZOOR etc)や薬物に伴う網膜障害(ヒドロキシクロロキン(プラケニル(抗SLE薬))

パクリタキセル(タキソール(抗がん剤))、タモキシフェン(抗エストロケン薬)

についてお話があり今後、薬物による網膜障害の増加が予想されるとのことです。

中高年の網膜疾患では内科をはじめとする他科の投薬内容をしっかり把握していくことも重要となるとのことでした。

網膜変性疾患の多くは遺伝性、進行性の視機能障害を生じ、網膜色素変性を除けば症例が稀で有効な治療が確立されていません。

しかし、近年では光干渉断層撮影(OCT)や広角眼底カメラの普及により症例数が増えています。今後は遺伝子治療や再生医療をはじめ、薬物の副作用など投薬内容にも配慮した診療が必要になります。

 

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