最新の広角眼底カメラを導入
最新の広角眼底カメラ(カールツァイス社 CLARUS500)を導入しました。
従来の眼底カメラは網膜中心部に存在する視神経乳頭、黄斑部(ものを見る中心点)、血管の構造を観察するために使用していますが、さらに周辺の網膜の状態を観察することはできません。
さらに従来の眼底カメラを撮影する際には瞳孔径が約6mm以上なければ撮影は困難となります。
視神経乳頭の形状や網膜中心部の血管の走行や眼底出血の有無を確認するのには有効です。
人間の血管の中で唯一直視できるのが網膜血管だけです。「動脈硬化」「高血圧」「糖尿病」などの生活習慣病の疾患に対して眼底を見る必要があります。さらに従来の眼底カメラを撮影する際は瞳孔径が約6mm以上なければ撮影は困難でした。
ところが最新の広角眼底カメラCLARUS500は瞳孔径2.5mm以上あれば従来の眼底カメラに比べ鮮明な広角画像を撮影することができます。
この最新機能を持ったカメラは県内でもまだ数台しかありません。眼底周辺を詳細に観察するためには散瞳剤(瞳孔を大きく開く点眼剤)を点眼して接眼レンズを使用する必要があります。
日々の外来診療において幼児〜小児の眼球打撲は比較的多く来院されます。
この際、幼少児に接眼レンズを用いて診察することはほぼ不可能なため倒像鏡を用いることになります。
しかし、CLARUS500を使用することは小児の周辺眼底を観察する上で大変有用な情報となります。
また、一部虹彩と角膜の角度の狭い方(狭隅角もしくは閉塞隅角)では散瞳剤を使用することで緑内障の発作を引き起こすリスクがあります。
このような方々にもCLARUS500を使用することで散瞳剤を使用せずに網膜中心〜周辺まで多くの情報を得ることができ外来診療の質の向上に大きく貢献します。
今回発売された走査型超広角眼底撮影装置CLARUS500は既存の広角眼底カメラに比べ画像も鮮明であり、撮影方法も簡単になっています。さらに、自発蛍光画像や脈絡膜画像等も撮影ができ、未来型の秀れた眼底カメラです。当院でも十分に活用し診療の質、スピードの向上に役立てていきます。