就学時健診で「要検査」と言われたら?子どもの視力と入学前の眼科受診
小学校への入学を控えたお子さんを対象に、秋から「就学時健診」が始まります。初めての学校生活に向けて、ランドセルや学用品の準備を進める時期ですが、もう一つ大切にしていただきたいのが、お子さんの「見え方」の確認です。
就学時健診で視力について「要検査」「眼科を受診してください」といったお知らせを受け取った場合は、見えにくそうな様子がなくても、必ず眼科で詳しい検査を受けてください。入学前の今は、目の成長を確かめる大切な機会です。
就学時健診の「要検査」は、目の病気が決まったという意味ではありません。一方で、家庭では気づきにくい視力の問題が隠れていることもあります。自己判断で様子を見ず、眼科で確かめましょう。
就学時健診は、何のために行うの?
就学時健診は、小学校に入る前に、お子さんの健康状態を確認するための健診です。目については、視力や目の状態などを調べ、入学後の生活で困ることがないかを確認します。
学校では、黒板や教科書を見るだけでなく、先生の表情を読み取ったり、友達の動きを見ながら遊んだりします。体育でボールを追う、階段や段差を確かめる、細かな文字を読むなど、さまざまな場面で目を使います。
授業で、黒板や教材の文字を見る
読書や文字を書く活動に取り組む
体育や遊びで、周囲の人や物の動きを確かめる
友達と一緒に活動するとき、表情や合図を見る
目が見えにくいと、学習や運動、友達との活動に負担がかかることがあります。また、「集中力が続かない」「落ち着きがない」と思われる様子も、実は目の見えにくさが関係しているかもしれません。
大切なのは、見え方の問題がないかを先に確かめ、安心して学校生活を迎えられるようにすることです。
「普段はよく見えている」のに、なぜ受診が必要?
片方の目だけ、見えにくいことがあります
お子さんがテレビを見たり、絵本を読んだりしていても、それだけで左右の目が同じように見えているとは限りません。片方の目がよく見えていると、もう片方の見えにくさに気づかず、普段どおりに過ごせるからです。
そのため、保護者の方が「そんな様子はなかったのに」と驚かれることもあります。就学時健診では、左右それぞれの目でどのくらい見えているかを確認することが重要です。
「弱視」が見つかることもあります
子どもの視力は、生まれたときから少しずつ発達します。この発達の途中で、ものがはっきり見えない状態が続くと、視力が十分に育たないことがあります。これを「弱視(じゃくし)」といいます。
例えば、片方の目だけ強い遠視や乱視がある場合や、左右の目線がずれている場合などに起こります。弱視は、単に眼鏡を外すと見えにくい近視とは異なります。適切な眼鏡などによる治療を続けて、視力の発達を助ける必要がある場合があります。
弱視は、早く見つけて治療を始めるほど、視力の発達を助けられる可能性が高くなります。小学校に入る頃は、まだ対応を考えられる大切な時期です。「もう遅い」と思わず、まずは眼科を受診してください。
3歳児健診で異常がなくても大丈夫とは限りません
「3歳児健診では何も言われなかったから大丈夫」と思われる方もいらっしゃるでしょう。もちろん、3歳児健診は目の異常を早く見つけるためにとても重要です。
ただし、幼いお子さんは検査の方法を理解できなかったり、その日の気分や緊張でうまく答えられなかったりすることがあります。片目だけの見えにくさが気づかれない場合もあります。また、成長とともに見え方が変わることもあります。
だからこそ、3歳児健診で問題がなくても、就学時健診で「要検査」となった場合は改めて確認することが必要です。
視力検査のA・B・C・Dはどう見ればいい?
学校で行う視力検査では、視力をA〜Dの4段階で表すことがあります。一般的な目安は次のとおりです。
視力が良好とされる目安です。
少し見えにくさがある可能性があります。
見え方について詳しい確認が必要です。
見えにくさが大きい可能性があります。
※判定の表示や受診勧奨の方法は健診によって異なることがあります。結果通知の指示を優先してください。
健診の検査は、短い時間で多くのお子さんの状態を確認するものです。緊張や検査に慣れていないことなどで、実際より低く測定される場合もあります。Bだからすぐ眼鏡が必要、CやDだから必ず病気、というわけではありません。
ただし、視力の数字だけで自己判断しないでください。左右で大きな差がある場合や、視力以外の点を指摘された場合も大切です。「要検査」のカードを受け取ったら、判定が何であっても受診しましょう。
眼科ではどのようなことを調べるの?
眼科では、健診の結果と普段の様子をうかがいながら、お子さんの年齢や理解度に合わせて検査します。主に次のようなことを確かめます。
左右の目の視力:片目ずつ、どのくらい見えているか
ピントの状態:近視・遠視・乱視などがないか
目の向きや動き:左右の目が一緒に働いているか
目の健康状態:視力に影響する病気がないか
必要に応じて、目のピントを合わせる力を一時的にゆるめる目薬を使い、正確な度数を調べることもあります。ただし、すべてのお子さんに目薬を使うわけではありません。検査内容は、診察の結果に合わせて判断します。
詳しく調べた結果、特別な治療は必要なく、経過を見ていけばよい場合もあります。眼鏡が必要な場合や弱視の治療が必要な場合には、理由や今後の見通しを説明しながら進めていきます。
ご家庭でも気にかけてほしい、お子さんの様子
健診の結果にかかわらず、次のような様子が続く場合は、目の見え方に問題がないか相談してください。
テレビや絵本に、顔を近づけて見る
ものを見るときに目を細める、顔を傾ける
片方の目を隠すと、とても嫌がる
目線が内側や外側にずれて見える
ものをよく見失う、見えにくそうにしている
こうしたしぐさがあっても、必ず目の病気というわけではありません。ただし、お子さん自身が「見えにくい」とうまく説明できないこともあるため、気になることがあれば診察時にお伝えください。
保護者の方からよくいただく質問
小学校入学前に、目の安心も準備しましょう
静岡県島田市のおおるり眼科クリニックでは、お子さんの視力検査や、弱視・斜視などのご相談に対応しています。眼科専門医と、目の検査を専門に行う視能訓練士が、お子さんの様子を見ながら検査を進めます。専門的な治療が必要な場合には、適切な医療機関と連携します。
小学校での毎日は、新しい発見や経験の連続です。お子さんが授業も遊びも、自分らしく楽しめるように。就学時健診で「要検査」の通知を受け取った方は、入学まで待たずに眼科を受診してください。














