近視進行の要因とリスク
近視進行のリスク因子
過度の近行、都市部での生活、遺伝的要因などが近視進行を促進します。子供の近視に関連する病気、特に白内障や緑内障などのリスクも懸念されます。
屋外活動の重要性
1日2時間以上の屋外活動は近視進行を抑制する効果があります。台湾などの国ではこの方法が実践され、効果を上げています。
近視進行抑制の方法
オルソケラトロジー(OK)とは
眼軸伸長抑制効果を持つOKは、特に子供の近視進行を効果的に抑制する手段です。6〜8歳から18歳までの継続使用が理想とされています。当院では安全性の面から実施しておりません。
DIMS眼鏡レンズと多焦点CL
これらの光学的アプローチは、近視進行を抑制する効果があります。特に、DIMS眼鏡レンズは単焦点レンズと比較して近視進行の抑制に効果的です。
オルソケラトロジーの利点と注意点
効果の高さと安全性
オルソケラトロジーは近視進行の抑制に高い効果を示し、重篤な副作用が少ないことが報告されています。
管理とケアの重要性: しかし、オルソケラトロジーは正しい管理とケアが不可欠です。特に小さい子供が使用する場合は、保護者の理解と協力が必要です。
総括
近視の進行を抑制する方法は多岐にわたりますが、それぞれの方法の理解と適切な使用が重要です。子供の近視進行抑制に関しては、特に保護者や教育関係者の意識の向上が求められます。近視に関連するリスクを理解し、子供たちの健康な視力を維持するための取り組みが不可欠です。
スタッフレポートはここから
講演2「近視進行抑制の現状とオルソレンズケア」
①近視進行関連要因
・過度の近行により進行
・都市部で進行が早い
・IQや学歴が高いと進行が早い
・屋外活動は抑制(1日2時間以上で近視になりにくい)
・遺伝の影響が強い(両親が近視→ 7から8割)
・環境要因は大きい
・中学3年生の近視有病率は71%
・眼軸長は学年が上がると着実に延長する
②近視進行抑制
・DIMS眼鏡レンズは単焦点レンズより近視、眼軸長進行抑制効果がある。オルソケラトロジーはそれ以上に効果がある
・眼鏡SCLによる近視進行抑制よりもオルソケラトロジーによる近視進行抑制効果は高い
・アトロピンによる近視進行抑制+オルソケラトロジーで更に効果が高かった
・アトロピン0.01%は副作用が圧倒的に低い
・多焦点SCLによる近視抑制効果はオルソケラトロジーと同等眼軸長進行抑制効果は52%
・近視が1D増加すると近視性黄斑症発生率が67%増加する
逆に1D抑制すると40%発生を減少させる
・オルソケラトロジーは6〜8歳の急激な近視進行を優位に抑制するが14歳より若く中止するとリバウンドが予測されるため、6〜8歳で開始して18歳くらいまでの継続が理想
・近視抑制治療が、近視に伴う国際的生産性損失を33兆減らすことができる
効果の高さを数値で目にし、有用な治療であることを理解しましたが、コンタクト装用のリスクを考えると取り組むことが最善か?難しい選択だと思いました。
6〜8歳のお子さんがコンタクトレンズケアや清潔な取り扱いができるのか?保護者の方も毎日細やかに洗浄消毒するのは大変なことだと思います。
保護者の方の洗浄消毒に対する理解がとても重要です。
シンプルケアで効果の高い洗浄消毒剤の必要性はここにもありました。
1日2時間の屋外活動で近視進行抑制の効果があり、台湾ではすでに効果を上げている。自分の身近でどのように生活改善を提案すれば良いのか?
近視進行抑制を世界的に考え実践していく時代であることを実感する講演でした。K.N
(講演2)
子供の時に近視が進むと病的近視リスクが上がる。
近視-1.0〜-3.0
(白内障・緑内障など発祥リスク2〜4倍)
近視-4.0〜-5.0
(白内障・緑内障など発祥リスク10倍)
近視-6.0以上
(白内障・緑内障など発祥リスク20〜40倍)
※近視関連眼疾患には網膜剥離や近視性黄斑症もあり、近視性黄斑症での失明率は緑内障より多い。
近視進行要因としては遺伝もあるが、環境要因が強く、過度の近業により進行したり、都市部で進行が早かったりする。
抑制方法として薬物療法、光学的アプローチ(特殊デザインメガネ・オルソケラトロジー(OK)・多焦点CL)などがある。
OKは眼軸伸長抑制効果があり、不同視にも良い。
6〜8歳くらいのできるだけ早くから始めた方が良く、18歳まで続ける事が理想。
OKについてよく知らなかったのですが、講演で重篤な合併症も無く安全性も許容できるとおっしゃってましたが、汚れやすいというデメリットがあり、小さい子供が使うのは少し心配だと感じてしまいました。
子供の近視抑制には屋外活動も効果があるとの事で、まずは外でたくさん遊ばせる事が大切だと思いました。
眼科で働いていなかったら近視のリスクや子供への影響など知らずにいたので、もっとたくさんの人達が近視の危険性について知る事ができたら良いと思いました。S.M