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スタッフの学会レポート

新型コロナウイルス により眼科領域の学会のほとんどの総会が中止となりました。

院長も予定していた学会がなくなりオンラインで受講をしています。

そんな中、当院のベテランスタッフが第59回日本白内障学会総会・第46回水晶体研究会のオンラインセミナーを医療従事者は無料で拝聴できることを知り、他のスタッフにその情報をシェアしてくれました。

以下はスタッフが自主的にオンラインセミナーを受講後まとめた記録です。

今回、第59回日本白内障学会総会・第46回水晶体研究会、この二つの学会が眼科で従事しているスタッフに貴重な機会を与えてくださったこと心より感謝しております。

スタッフは第59回日本白内障学会総会・第46回水晶体研究会のオンラインセミナーを通じて身につけたことを実学として患者さんに提供をしていきたいと話しています。

おおるり眼科のスタッフは今後も積極的に様々な領域においても学びを続けていきますのでこれからもよろしくお願いします。

 

第59回日本白内障学会総会・第46回水晶体研究会オンラインセミナーを受講しての学び

講習内容

・老視の眼光学

・老視の外的治療(多焦点IOLを中心に)

・コンタクトレンズによる老視矯正

・加齢に伴う水晶体弾性変化と恒常性異常

・薬物による老視治療の可能性

を拝聴して

老視は年齢とともに調節力が減衰し調節しても近方視力が困難になった状態で一種の老化現象です。

調節力低下の原因は加齢により水晶体の中心が固くなりやすく、毛様体筋の変化も小さくなるためです。

老視に関する調査を実施した所、老視症状の有無は幸福度と睡眠の質に関連があり影響は女性より男性の方が強く、自覚症状発症年齢も早いという結果が出ています。老視治療としては近用または遠近両用メガネやコンタクトレンズ、白内障手術時の多焦点眼内レンズ挿入が主流ですが薬物による治療の可能性も出てきます。

私たち検査員にとって治療でお勧めできる身近な物はメガネとコンタクトレンズですがコンタクトレンズはドライアイや老視などの不快感でやめてしまう方が多く、日本では処方率が低いのが現状です。

近年発売された多焦点SCLの性能は向上しているため、患者さんにはきちんと問診しおすすめができそうな方には提案をしていきたいです。

S.M

考察

根岸一乃先生と宮田佳樹先生のセミナーを拝聴して

今まで白内障の症状は視力低下、まぶしさなど見え方の変化しかないと思っていましたが、生体リズムや身体の健康にも影響を及ぼしていることは知らなかったのでびっくりしました。見え方のことだけでなく、体調面でも変化ないか大丈夫か声かけをしていくべきだなと思いました。また、男性の方が遠方の見え方を重視しているというのは今後の眼鏡、CLの処方にとても役立つ情報だと思いました。こういった知識を踏まえて検査をすることによって患者さんの満足度もUPすればいいなと思います。

老視の発症も男性の方が早いということなので近くの見え方が変化ないか声を掛け球面のCLで頑張ってみるのではなく早めに遠近両用のCLをお勧めしていけたらいいなと思いました。

CLの処方率がオーストラリアやイギリスなどと比較して日本が低いのは何故なのかすごく疑問です。←自分で調べてみます。

K.Y

考察

・特別講演:白内障術後・前嚢下白内障における水晶体上皮細胞の挙動

・白内障学会シンポジウム:老視の眼光学・老視の外科的治療(多焦点IOLを中心に)

・水晶体研究会シンポジウム:薬物による老視治療の可能性

を拝聴して

老視:加齢により調節力が低下し近方視が困難になった状態を指す。自覚症状によるが新聞のような小さな文字を見たいのか、テレビの字幕の文字が見えれば良いのか?老視の判定にはばらつきがある。老視については個人のライフスタイルに合わせどの見え方がその人に合っているか最適さはそれぞれ。

多焦点IOL:コントラスト感度が低下する場合がある

遠近両用コンタクト:夜間タクシー運転手、配送業の方は不向き、職種でも適応の見極めが必要。遠近両用コンタクトの効果がある方は乱視が軽い方、若い方、完璧主義でない方など

調節力を改善するサプリメント:ビルベリー、アスタキサンチン(アスタリール)

白内障の進行を予防するサプリメント:ルテイン(ウエルビジョン、オキュバイト+ルテイン)

I.A

白内障術後、前嚢下白内障における水晶体上皮細胞(LECs)の挙動

眼内レンズを挿入しない場合

・術直後から、残存したLECsは増殖、遊走し、水晶体嚢内、後嚢上を進展する

・5日目には、前嚢切開縁のLECsはα-SMA陽性になる。10日目には、後嚢中央部を覆っていたLECsは消退し、6ヶ月目には前後嚢に覆われた部分には増殖対が形成される

眼内レンズを挿入した場合

・前嚢切開の大きさにより、隔絶型・交通型・IOLが無い場合と相同型に分かれる

・時間が経つと分化した水晶体繊維細胞は、IOLの前嚢側や後嚢側へも移動する

後発白内障とは

・Soemmering ring(周辺部水晶体嚢腔内での水晶体繊維の再生)

・前嚢(線維性)混濁(前嚢切開部からの白濁した混濁)

・Elschnig pearls(IOL下の水晶体繊維)の一員は、前後嚢癒着部の破綻や、水晶体繊維細胞の移動

後発白内障は、術後から10年を越えると発症頻度が減る

老眼の眼光学

老視の定義 

年齢と共に調節力が減衰し、調節しても近方視が困難になった状態。一種の老化現象。

調節力の減衰…視機能評価(自覚調節、他覚調節、近見視力)+近方視…自覚症状

・調節力や近見視機能の低下があり、近見障害を自覚しなかったら老視なのか?

・近見における視機能評価の距離が定まっていない

・自覚評価か他覚評価か?

・調節検査と近見視機能検査結果が乖離した場合は?

老視の機序

加齢により調節力が低下する

加齢による水晶体透過率の低下(輝度が下がる)

加齢による近見視機能の低下

加齢による薄命下の視機能低下

調節力低下の原因

加齢による水晶体の弾性変化

加齢による毛様体筋の変化

加齢による水晶体の構造変化

白内障術後における調節力の低下

老視を代償する機構

瞳孔の縮小

眼瞼の狭小化

乱視の増加

高次収差

いずれも代償するには十分とは言い難い

老視の治療

・結像位置を動かす

・瞳や収差を利用して被写界深度を広げる

・レンズ構造で光線を配分する

光学的両方(CL等)

手術療法(IOL手術)

薬物療法(縮瞳によるピンホール効果)

理学的両方(科学的根拠は十分ではない)

上記のコンビネーション

老視と日常生活

何を観るのか?どの距離で見るのか?どの程度の質が必要なのか?

老視の眼科的治療

・モノビジョンレーシック

・多焦点IOL

・コンタクトレンズにおける老視矯正

白内障が健康へ及ぼす影響~生体リズムに着目した疫学研究~

生体リズムとは?

・睡眠や体温等の体内固有の周期性リズム

生体リズムの制御 視交叉上核→末梢組織の生体リズムを調整

生体リズム制御と「眼」

外から来た光は網膜から脳内、視細胞へ。生体リズム調整には眼での光受容が最も重要

白内障があった場合、光刺激が減少するため、生体リズム障害が生じるのでは?

生体リズム障害の全身への影響

・基礎研究

生体リズム障害が睡眠だけでなく内分泌・代謝・循環・精神機能など多くの生理現象へ関与

・疫学研究

急いたりリズム障害と関連が強い夜間交代勤務が、肥満・糖尿病・脂質異常症・高血圧・睡眠障害・うつ・脳卒中・虚血性心疾患・がんなど様々な疾病のリスク

総括

白内障が生活品質の低下や早期死亡に関連する全身の様々な疾患に関与することを明らかとした

白内障手術により生体リズムの乱れが改善する可能性がある

白内障手術は視機能改善だけでなく健康改善にも役立つかも知れない

感想

後発白内障がどのような原因で起こるのかということが分かりました。患者さんに後発白内障の説明をするにあたり、理由を知ることでより理解が深まり、今までよりも更に丁寧に説明をすることができると思います。

老親の演題に関しては、やはり患者さんの多くが気になっていらっしゃる事です。

普段検査をしている場においても、特に40~50代のコンタクトレンズを使用されている患者さんへ老視とはどのようなものかを説明する機会が多く、それによって使用されているコンタクトレンズをMFに移行されるケースもありますので、検査の際には患者さんの求める生活の品質を細かく問診するようにします。

生体リズムの演題では、白内障が進行することにより、眼の中に入る光が減り、それによって生体リズムに乱れが生じたり、全身へ影響が出てくるという内容が非常に興味深かったです。

白内障の手術をされて当院へ戻られる患者さんで、以前よりも元気そうに見えられる方もいらっしゃるので、そのような事も関連しているのかなと思いました。

M.K

老視の定義

年齢とともに調節力が減衰し、調節しても近方視が困難になった状態で一種の老化現象。主因は水晶体弾性の低下により起こる。(加齢により水晶体中心が硬くなる)

老視の定義や判定における課題

・調節力や近視視機能の低下があり近見障害を自覚しなかった。老視なのか

・近見における視機能評価の距離が定まっていない

・自覚評価か他覚評価か

・調節検査と近見視機能検査結果が乖離した場合

・禁煙のVDT作業、近見作業減らす、早期からの塁審屈折力レンズや遠近両用コンタクトレンズ装用

白内障予防

紫外線眼部暴露の予防

UVカットのメガネやサングラス

老視の治療の種類、光学的療法、手術療法、薬物療法、理学的療法、コンビネーションなどあるが、

どの治療(矯正)法が良いかは個人差があり、日々の生活でjy有用視するものをどの距離でみるか、どの程度で満足するか、必要がいるかなど重要になってくる。

Y.Y

コンタクトレンズによる老視矯正を拝聴して

四十代になるとドライアイと老視のため、ドロップアウトしてしまう方が多いようです。

遠近コンタクトレンズは同時視型のためクリアに見える方を脳で選択してみています。ただしコントラストが低下するので明るいところは良いが暗いところは見えにくいので、夜間の運転などは不向きです。

処方時に遠くが見にくい場合は利き目の度数を上げて近くが見にくい場合は非利き目を+0.75までを目安に+0.25ずつ度数を加入していく。乱視(1.00D以上)ある場合は同じ素材にすると良い。

眼精疲労にもなるため遠近コンタクトレンズを進めて患者さんがより良い生活ができるよう上手に合わせてあげたいです。

S.J

特別講演-白内障術後、前嚢下白内障における水晶体上皮細胞の挙動

白内障学会シンポジウム

s1-1老視の眼光学

s1-2老視の外科的治療(多焦点IOLを含む)

S1-3コンタクトレンズによる老視矯正

S1-4加齢に伴う水晶体弾性変化と恒常性異常

S1-5男と女の老視とQOL

水晶体研究会シンポジウム

S2-1薬物による老視治療の可能性

S2-2眼循環障害と酸化ストレスとの関連

S2-3クリスタリン内部アミノ酸の翻訳後修飾からみる水晶体老化

S2-4高齢者の視機能維持を目指した薬学からのアプローチ

受賞記念講演-白内障が健康へ及ぼす影響:生体リズムに着目した免疫学研究

共催セミナー

スペシャリストが考えるこだわりの眼内レンズの選択

・乱視患者への多焦点レンズ選択~まもなく!レンティスコンフォートト―リック

・The SENJU Seminar in白内障学会~グレードアップ!白内障診療

一般演題 O.1-11-9 O.2-12-7 O.3-13-8 O.4-14-6 O.5-15-3 O.6-16-5

Web学会に初参加、新たな学習のチャンスができて本当によかったです。

白内障治療について、日々沢山の先生方が様々な研究をされ、最先端の術具やレンズの開発により治療が行われていることを知る貴重な経験になりました。

実際の術中の様子を見る機会は全くないので、多種の眼内レンズの挿入などをビデオ画像で見ることができてよかったです。

先日、総合病院で術前説明を受けた患者様より『「とにかく頑張りましょう!」と言われた言葉以外の手術に関する説明と手術中の記憶が無いのだが、私はどんな治療をしてきたのでしょうか?』との質問に簡単な絵で説明でき、納得いただけました。(学会映像を見たことが生かされてよかったです)

これからも、日進月歩で変化してゆく様々な治療に遅れることなく知識を深めてゆきたいと思いました。

K.N

白内障が健康に及ぼす影響(生体リズムに着目した疫学研究)

白内障はぼやけて見えにくいとか眩しいなど視覚的な問題だけだと思っていたが、それだけではなく睡眠障害や認知機能障害など健康問題にも関連していることがわかりました。

白内障で光受容が減少することから生体リズム障害をきたす。それによる白内障と夜間血圧、動脈硬化、認知機能障害との関連がある可能性があることがわかりました。

これらから白内障手術を行うことによって視機能の改善だけでなく、生体リズムや健康の改善にも役立つので白内障手術は積極的にすべきだと思いました。

M.S

 

【重要】次亜塩素酸水、取扱いの変更

新型コロナ禍におけるコンタクトレンズ装用

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