秋の行楽シーズンも油断禁物!子どもの目を紫外線から守る方法とサングラスの選び方
秋の行楽シーズンも油断禁物!子どもの目の紫外線対策とサングラスのすすめ
秋は運動会・遠足・紅葉など屋外活動が増える季節。夏が過ぎても紫外線は依然として注意が必要で、子どもの目は大人より影響を受けやすい傾向があります。本記事では、子どもの目の紫外線対策をやさしく解説し、行楽シーズンに実践しやすいポイントをまとめました。

秋の行楽日和。肌寒くても紫外線はしっかり降り注いでいます。親子で目のケアを意識しましょう。
なぜ秋でも紫外線対策が必要?(行楽シーズンの落とし穴)
体感的には弱まっていても、10月の紫外線量は地域によっては夏ピークの約5〜6割を保っています。特に標高の高い地域や日照時間の長い静岡県などでは、秋でも日中はUV指数5〜7の「やや強い」レベルを観測することがあります。
秋の空気は澄んでおり、光が遠くまで届きやすい特徴があります。そのため、木々の紅葉や芝生、校庭の白線など反射光によって目に入る紫外線量が増えるケースも。運動会・公園遊び・遠足などで2時間以上屋外にいると、角膜へのダメージが蓄積しやすくなります。
紫外線は季節を問わず降り注ぐため、「夏だけ日焼け止め・冬は不要」と思いがちですが、目の健康維持には年間を通したケアが理想です。
子どもの目が紫外線に弱い理由
子どもの角膜や水晶体はまだ発達途中で、紫外線を遮る力が十分ではありません。加えて、身長が低いことで地面からの照り返しを受けやすく、結果として大人よりも多くの紫外線を浴びやすい構造です。
国際小児眼科学会(WSPOS)による報告では、前眼部(角膜・水晶体)を透過する紫外線の割合は出生時で最大約20%、20歳で2〜3%まで低下するとされています。つまり、幼児期〜学童期の目は紫外線が網膜近くまで届く可能性が高い状態にあります。
ただし、これは「網膜まで強い紫外線が到達する」という意味ではなく、波長320nm前後の一部の紫外線がごく微量通過するという科学的観測です。成長とともに水晶体の遮断機能が高まり、成人では実質的にほとんど網膜に届かないと考えられます。
紫外線が目に与える影響(短期・長期)
短期的なトラブル
紫外線角膜炎(雪目)は、強い紫外線や反射で角膜が一時的に炎症を起こす症状です。スキーや海辺だけでなく、秋の校庭やグラウンドでも起こることがあります。症状は数時間後に出現し、痛み・涙・異物感・まぶしさなどが現れます。数日で回復するものの、繰り返すと角膜の感受性が高まり慢性炎症の原因になります。
長期的なリスク
- 白内障:長期にわたる紫外線曝露により、水晶体タンパク質が酸化し濁ることで視力低下を招く。
- 翼状片:白目の結膜が黒目方向へ伸びてくる良性の増殖性変化。紫外線曝露が主要な誘因の一つ。
- 加齢黄斑変性:網膜中心部(黄斑部)の光酸化ストレスが関与するとの報告もありますが、紫外線との直接的な因果関係は未確立です。
これらの疾患は、子どものころからの紫外線曝露の累積が将来的な発症リスクに影響する可能性があります。早期の予防は「未来の視力貯金」と言えます。
秋の行楽こそサングラスで目を守る

秋のやわらかな日差しでも、子どもの目には強い刺激となることがあります。まぶしさを感じたら、紫外線対策のサインです。
サングラスはファッションではなく紫外線防護具です。曇りでも紫外線は地表に届くため、秋でも日常的な着用が理想。とくに子どもの場合は、毎日20〜30分の屋外遊びでも蓄積曝露になるため、保育園・小学校の通園・登下校時にもおすすめです。
- UVA・UVBを99%以上カットできる表示(UV400など)を基準に選ぶ。
- まぶしさ軽減で集中力・視認性の向上にも効果。
- まぶた・頬など目の周囲の皮膚も保護。
子ども用サングラスの選び方(7つのポイント)
- UVカット表示:UVA・UVBを99%以上カット(UV400など)。
- 安全性:軽くて丈夫なポリカーボネートレンズを選ぶ。
- フィット感:鼻パッドやテンプルのあたり具合をチェック。
- カラー:屋外活動ではブラウン・アンバー・グリーン系が◎。
- 子どもの好み:お気に入りのキャラクターや色で選ぶと使用率UP。
- 保護者の管理:ケースで保管し、傷や紛失を防止。
- 親子で一緒に:大人もかけることで「自然な習慣」に。

サングラスはおしゃれだけでなく、目を守る大切な道具。お気に入りの一本で楽しく紫外線ケアを。
最近では屋外で自動的に濃くなる調光レンズも人気。ひとつのメガネで日常と外出を切り替えられるため便利です。
サングラス+帽子+日焼け止めのトリプルケアで秋の紫外線対策を
- サングラス:前方からの直射・反射を防ぐ。
- 広いつばの帽子:上からの紫外線を30〜40%カット。
- 日焼け止め:まぶたや頬など露出部を保護。
これらを組み合わせることで、紫外線から目を立体的に守ることができます。親が率先して実践することで、子どもも自然と続けやすくなります。

帽子・サングラス・日焼け止めのトリプルケアで、秋の紫外線から目と肌をしっかり守りましょう。
→ 関連記事:小学生の疲れ目・近視・紫外線ケア シリーズ1
当院でのご案内(試着・フィッティング)
おおるり眼科クリニックでは、子ども向けUVカットサングラス(名古屋眼鏡〈サンリオ・トミカ等〉)を数点お試しできます。
まとめ:秋こそ「子ども 目 紫外線 対策」を習慣化
秋は体感的に油断しやすい季節ですが、紫外線は確実に降り注いでいます。サングラス+帽子+日焼け止めのトリプルケアを基本に、親子で楽しみながら続けることが大切です。
小さな習慣が将来の視力を守る第一歩になります。
参考情報(出典)
- WSPOS. Sunlight Exposure & Children’s Eyes Consensus Statement(2016)
- Hammond BR Jr, Renzi-Hammond L. PLoS ONE, 2018
- Boettner EA, Wolter JR. Transmission of the Ocular Media. IOVS, 1962
- 気象庁(JMA)UV Index データ
- Mayo Clinic Health System. Do children need sunglasses?














