乳児健診と弱視治療のZOOM研修に参加後のレポート
乳児健診と弱視治療のZOOM研修に参加して
講師:金沢大学附属病院眼科杉山能子先生
乳児健診は4ヶ月児と10ヵ月児に行います。
各市町村がアンケートで問診し、眼疾患が疑われた場合に眼科受診を勧めています。
1990年からは3歳時検診に視聴覚検査が導入されました。
一次検査
一次検査は家庭で保護者が視力検査とアンケート記入を行います。
二次検査
ニ次検査は保健センター等で保健師、看護師、視能訓練士等が視力検査し小児科医等の医師がおこないます。
三次検査
3次検査は眼科で行う精密検査です。
特に注意をしたいのが網膜芽細胞腫という目の病気です。網膜芽細胞腫は乳児の視覚を障害し、場合によっては生命にまで影響を及ぼすことがあるからです。
網膜芽細胞腫の後発時期は生後10ヵ月前後であるため乳児健診等による早期発見が重要となるわけです。
検査
乳児に行う検査ではレッドリフレックス法があり、これは眼球を正面から照明したときに得られる眼底からの明るい反射で水晶体の濁りを検出するものです。
嫌悪反射は乳児の片眼を手で被うことで反応を見ます。
片眼に視覚障害があるときは健眼( 視力が良い方の目)を被うことで児は嫌がります。
その他にもいくつかの検査があります。
対策
子供の近視に対しては眼鏡装用が必要となることがあります。
メガネの過矯正は絶対NGなため、調節麻痺剤の使用が必要となります。
サイプレジン等の調節麻痺剤は一過性の副作用もあるため検査時は児の様子に注意が必要です。
また年長児(10歳以上)の弱視であっても眼鏡装用や健眼遮蔽により視力回復が認めることもあります。
この場合、終日遮蔽が必要となることもあります。
また児の弱視治療としての眼鏡装用の経過が良好であれ眼鏡装用の終了(卒業)をすることもできますが、その場合はメガネ卒業後約2年の経過を見て再度視力低下が生じてこないかチェックすることが必要です。
以上が今回の研修のまとめです。 乳幼児の視力は保護者の方の観察と適正時期での検診と必要に応じた眼科医の受診が重要です。また、場合によっては専門の病院との連携が必要になることもあります。 眼科クリニックを受診する際はそのクリニックが関連病院との連携が充実しているかなどを確認されることをお勧めいたします。 おおるり眼科クリニック 院長鈴木徹