アンガーマネジメント 講義録
スタッフ研修「アンガーマネジメント」講師 村松美紀氏 2020.03.14
感情コントロール「アンガー(怒りの感情)のマネジメント」
怒りの感情について学び日々の生活や対人コミュニケーションにいかしましょう!
ワークショップ(セミナーは2つのグループに分かれて)
到達目標
1:仕事を含む日常生活の中における感情のコントロールの必要性を理解する
2:「怒り」とは。怒りの感情を知り、自分の怒りの感情と上手に付き合うためのトレーニング法を知る
3:怒りの特性を知ることで日々の対人コミュニケーションのスキルアップを図る
オープニング
研修の目的とゴールを共有。研修後受講者に期待すること
アンガーマネジメント
<内容>
・怒りの感情に振り回されていませんか?
・「アンガーマネジメント」とは?
・怒りの感情と上手に付き合う方法
3つのトレーニング
<研修の狙い>
怒りの感情と上手につい会う必要性を知る
アンガーマネジメントの基本を理解する
怒りと上手に付き合う方法3つのコントロール法を学ぶ
他社の怒り(クレーム)に振り回されない考え方と対応を知る
怒ることのデメリット・メリット
デメリット:
相手を嫌な気分にさせる
血圧が上がる
周りの人も嫌な感じにさせる
印象が悪くなる
自責の念にかられる(後悔する)
怒りの感情に支配されて人に優しくなれなくなる
空気が悪くなる
関係が悪くなる
人を傷つけてしまった後悔
怒られた相手が悲しむ
怒ったことで本当に伝えたいことが伝わらない
歯止めがかからず、エスカレートする
メリット:
怒ることによって自分の気持ちを溜め込まない
感情表現ができる
自分の意見・気持ちを主張できる
一時的なストレスの発散←ここ問題!ストレスの発散をメリットと捉えると、この動作が繰り返されることになる!
怒りの共感
アンガーマネジメントとは?
アンガー:怒り
マネジメント:後悔しないこと
「怒る必要あることは上手に怒れ、怒る必要のないことは怒らないようになること」
アンガーマネジメントの3つの暗号
1衝動のコントロール
2思考のコントロール
3行動のコントロール
怒りとは
感情表現:人間にとって自然な感情の一つ怒りのない人はいないし、なくすことも不可能
機能・役割:身を守る(自分・家族など)ための感情(防衛感情)
クレームを言う人であれ、自分を守るために訴える必要があるから怒る理由がある
問題となる4つの怒り
強度が高い:小さなことでも激昂する(声が大きい、表情)
持続性がある:根に持つ、思い出し怒りをする
頻度が高い:しょっちゅうイライラする、カチンとくることが多い
攻撃性がある:他人を傷つける(人を攻撃)、自分を傷つける(暴飲暴食、自傷行為)、物を壊す(ドアをきつく締める、湯呑みを強く置く)
自己診断
スタッフそれぞれが自身の診断
怒りは第二次感情(氷山)
怒りには一次感情がある:不安、辛い、寂しい、心配、虚しい、嫌だ、後悔、苦しい
一次感情を傾聴することで二次の山が小さくなる
怒ったことを覚えていますか?
すごく頭にきたこと:
まあまあ腹が立ったこと:
軽くイラっとしたこと:
あらっ?
ワークの中で自分の怒ったことをシェアしている最中、みんな”笑い”ながら話している。。それならば
暗号1:怒ってから6秒(深呼吸)待って衝動のコントロールする
イライラ・怒りの温度(点数)をはかる
0*穏やかな状態
5*
10*人生最大の怒り
怒りを数字で表すことで自分をコントロールするともっと楽になる*私たちは気温を数字で見て体調や服装などを管理している。これを怒りのコントロールにも使うといいのでは?
落ち着く言葉(コーピングマントラ)を唱えよう:
このぐらい大したことはない
気にしない、気にしない
怒りのボキャブラリー
ムカつく、うざい、イラっとする、ムッとする、カリカリする、プンプン、ご立腹、怒り心頭、ムカムカする、ヘソを曲げる、オコ、つむじを曲げる、オカンムリ、呆れる、うざい、イミフ、ガミガミ言う、がなり立てる、など沢山ある
体罰を与えた教師に対して、なぜ体罰をしたのかを尋ねたところ「つい言葉が出なくて」が一番多かった
言葉が出ないことにより怒りや体罰が起こるならば、もっと言葉を使って表現できればいいのではないか?
何が私たちを怒らせているのか?
人?それとも出来事?
答え:どちらでもない
私たちを怒らせるものの正体:理想(会社、こども、上司、男性、女性、親、ルール、時間、その他はこうあるべき)と現実のギャップに「怒る」
私が思う「べき」が相手の「べき」ではないこともある。それぞれの人に「べき」があることを理解する。
暗号2 三重丸:思考のコントロール ①許せるゾーン ②まあ許せるゾーン ③許せないゾーン ②と③はあいまい
例えば、時間。A の人は5分前にはくるだろう Bの人は時間通りに来ればいい
同じ出来事でも状況や人、雰囲気によって変わることがある。つまり、私たちはこの2ゾーンと3ゾーンの線引きをしっかりと引き、状況や人、雰囲気によって変えてはいけない。2のゾーンを決める。
しかし、2のゾーンを広げ過ぎることはいけない。なんでも「まあいいか」で済ますと社会的責任感が無くなる。
暗号3 分かれ道:行動のコントロール
変えられる:コントロール可能 <重要>;今すぐ行動・表現 いつまでに、どの程度、どう行動するか決める <重要でない>;時間がある時
変えられない:コントロール不可能 <重要>:現実を受け入れる、今できる行動を探す <重要でない>:放っておく
すごく頭にきたこと:中国のせいでコロナウイルスが蔓延した→情報公開をして注意喚起を行うことは国際社会における当然のルール→変えられない:コントロール不可能 <重要>:現実を受け入れる、今できる行動を探す 手指洗浄を徹底 不要不急の外出は避ける
将来的にあなたと周りにとって大切ですか?
大切・・・
Q:どういう基準なら②まあ許せるゾーンになるのか?
具体的にルールを決める
怒りの性質
高いところから低いところへ流れる
身近な対象ほど強くなる
矛先を固定できない
伝染しやすい
エネルギーになる
怒りの連鎖を断ち切ろう
全ての人が自分の感情に責任を持てば私たちは怒りの連鎖を断ち切ることができる。それによってセルフコントロールができる
おおるり眼科クリニックのスタッフ、アンガーマネジメントで知りたいこと
・イライラしているときの気持ちの切り替える方法
他のことを考える、まあまあとか、気にしない(コーピングマントラ)、まず6秒(深呼吸)
自分が持っている「べき」が許せるゾーンに入るのか入らないのか?入らなかったら行動をする「こうして欲しい」と伝える(怒るのではない)
・心のゆとりを大きく一定に保つ秘訣はありますか?同じような事柄でも受け止める側のゆとりで全く違う感じ方になってしまいます。相手の無理な要求を笑い(楽しい事柄)に捉える方法はありますか?
感情で表現するのでは感情を伝える「お母さんは時間がキリキリするとイラッとしてしまうから時間を守って欲しい」
怒りは二次感情:不安、つらい、寂しい、苦しい、痛い、困った、疲れた、痛い、悲しい、などの感情が詰まったコップの中身をこぼしてあげる。優しい声かけ*傾聴
・他人のイライラが自分にも伝染してイライラしてしまうことがあります。それによって自分の気分もかなり変わってしまうので振り回されないようにする方法があれば知りたいです。
イライラの伝播。3の許せないゾーンに入った時は行動をすることが大切。「何かあった?」
・相手の口調がケンカ口調の時(電話など)自分もイラッとしてしまうこともある。そのときのイラつかない方法。
電話の相手は変えられない。どう捉えたらプラスの感情になるのか考える。相手のイライラは相手の感情で自分は関係ない。
・仕事中は感情にブレーキがきくが家庭で子供に対して感情にブレーキが効かない。なぜだろう?身内に対してコントロール方法を知りたい。
いいお母さんの証拠。子どもを守りたいから怒る。もっと、具体的に感情を伝える。「お母さんは5時に帰ってきてくれないと心配なの」という気持ちを伝える。
・特に甘えの出やすい身内での感情のコントロール、その場を一旦離れるという余裕はない場合の良いコントロールは?
線引きをする。一旦決めた怒らないのルールを決めたら怒らない。
・真剣に検査をしているのに適当に受け答えされた時、どう対処をすればいいか知りたいです。(視力検査の時に「なんとなくでいいので開いている方向を教えてください」と言ったら「じゃあ適当に右」と真面目に答えてくれませんでした。)
・次回の予約を「朝一番の時間」を希望され、検査内容の兼ね合いで出来ないことを伝えたところ機嫌を損ねられ、「朝イチ」以外を譲らなかった。他の患者さんとの公平性を考えると納得がいかない。
ではその時、その方の第一感情に寄り添ったか?なぜ「朝イチ」でないと嫌なのかを聞き出す。
・聞く耳を持っていただけない時の話術。対処法。
相手の怒りのボールを一旦、受け取る。そのボールを確認して、相手に返す。
出来事に対する「べき」を自分の価値観で図らない。相手の「べき」を傾聴することも大切。しかし、傾聴は大切だが譲れない時はきちんと伝える。
クレームの背景
事前期待<実際評価 満足
観察→想像→行動
事前期待=実際評価 まあ満足
事前期待>実際評価 不満
実際の評価を上げるためには優しいクッション言葉を掛ける
NGワード
こちらの担当ではないので
仰ることはわかりますが
ちょん〇〇としましたか?
私に〇〇言われましても
一応してみます。
〇〇しないようにして下さい
怒りは防御反応→患者さんが守りたいものはなんだろう?
怒りは二次感情→患者さんの一次感情に寄り添って自分の一時感情にも目を向けよう。
出来事→価値観(べき)→感情 患者さんと医療者はもともと違う
大切なことは伝わるように伝える NGちゃんと、しっかり、かなり OK2時間ぐらい
感情のコントロール
・認識の修正
自分の「べき」は万人に共通?
・行動の修正
イラッとした時対処
日常のコミュニケーション改善
いつも、絶対はNG
感想イライラのコントロールについて調べたことがあるが、自分の理想と現実のギャップ「べき」が問題になることがわかった。そして、自分のことばかり考えていたことを気づかされた。
相手の「べき」を理解する。それを咀嚼して行動をとる。
大人の「べき」もそうだが子どもの「べき」をもっと聞く。人は潜在意識によって支配され、それが「べき」になる。
ウザイ、の言葉の重さやレベルがジェネレーションギャップによってわかりズラい。もっとコミュニケーションを図って、すり合わせをしていきたい。
「べき」が強い自分に気づいた。
イライラしている方の一次感情を知り、自分の伝えたいこともキチンと伝える
自分の「べき」が曖昧。自分の感情によって「べき」が変わる。相手の「べき」を受け止めながらキチンと言葉で伝えたい。
「イラッ」となっておき「はあ?」となってしまうので、怒りのレベルを知って自分の怒りのコントロールをしたい。
職場改善 境界線ワーク
項目(~あるべき、~べきでない) 数字でレベルをはかる