眼科手術のリスクについて 日本眼科医会からの文書引用
1.
新型コロナウイルスに感染している患者さんにおいては、鼻腔や咽頭にウイルスが存在する可能性が高くなります。
また涙液を介する感染のリスクも指摘されています。
一方で、通常の白内障手術をはじめ緑内障手術、硝子体手術等において、眼科手術中に患者さんから医療関係者へ、新型コロナウイルスが感染する可能性は高くないと考えられます。
しかし、手術前後に未診断もしくは無症候性の患者から感染が広がるリスクを否定できないことから、手術前の問診を十分に行い、通院時も含めて感染に留意をしていく必要があります。
2.
緊急の眼科手術(処置を含む)または眼疾患とは治療時期を逸することで失明あるいは重大な視機能障害を残しうることから、緊急の対応を必要となります。
代表的な眼疾患
1 失明に直結する疾患
網膜剥離、緑内障発作(急速に悪化する緑内障)、膨隆白内障等の急速な悪化。もしくは合併症を引き起こす白内障、未熟児網膜症など
2 悪性腫瘍
網膜芽細胞腫、悪性黒色腫、扁平上皮癌、眼窩腫瘍など
3 眼外傷
角膜穿孔、結膜裂傷、眼球破裂、眼窩骨折、眼内異物、眼窩内異物、角膜異物、レーシック術後の外傷性フラップ剥離など
4 感染症
術後眼内炎、眼瞼膿瘍、涙嚢炎、濾過胞関連感染性眼内炎など
5 緑内障
小児緑内障、急速に進行する緑内障、水晶体起因性緑内障など
6 その他
角膜移植、先天白内障で弱視治療を要するもの、外傷性白内障など
3.
眼科手術の重要性(硝子体内注射を含む) 新型コロナウイルス感染者さんを受け入れて治療にあたる施設では、人手を新型コロナウイルス感染症対策にあてるため、急がない手術の延期はやむを得ません。
しかし、上記 2 に記載した緊急を要する手術以外にも、緊急対応を要する訳ではないが潜在的に失明もしくは重大な視覚障害を残しうる疾患に対しては準緊急対応が必要となります。
判断については連携病院に確認しますのでまずはお電話でお問い合わせください。