児童生徒等の健康診断(眼科健診)について
「新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえた児童生徒等の健康診断(眼科健診)実施等に係る対応」についてー当院の見解
3月19日付で文科省より「新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえた学校健診の実施」について事務連絡が発出されましたが、実際には学校健診実施については県または各市長の教育委員会の判断となる状況下です。当院は先日発出された日本眼科医会からの「考え方」を参考に眼科学校医としまして島田市教育委員会ならびに担当校と協議の上、眼科学校健診を検討していく所存でございます。
児童生徒等の健康診断の実施等に係る対応については児童・生徒が新型コロナウイルス の無症候性感染者であることも否定できないため、以下の方法での健診を提示いたします。
状況に応じて取り入れていただければと思います。基本は接触・飛沫感染防止です。
[医師側]
メガネ(ゴーグル)+サージカルマスク+手袋はしておくが、「かゆみ」「眼脂」等の問診 と「球結膜の充血」の視診をして、必要に応じこれら症状・所見の該当者のみ接触する。(手袋は接触した児童・生徒のあとに直ちに交換)。
[児童生徒側・学校側の準備]
感染リスクを低減させるための3つの条件
① 換気の悪い密閉空間にしないための換気の徹底
② 多くの人が手の届く距離に 集まらないための配慮
③ 近距離での会話や大声での発声をできるだけ控えるが周知されております。咳エチケットと手洗いの徹底も従前通りとされています。
また、健診を行う側にも感染リスクを低くするために、手指衛生としてアルコール消毒や手袋が必要となります。
これに従って、以下の準備を、地区教育委員会ならびに学校関係者にご検討いただきたいところです。
1)可能であれば児童・生徒等はマスク着用のこと。持参していない場合、児童・生徒等は 口をしっかり閉じることを指示。またはハンカチ等で口を覆うことも考慮する。
2)換気をよくする。児童・生徒等は喋らせない。保健室等の健診する部屋には多人数をいれず、廊下に待機させ、感染しやすい環境となる3要素を満たさないようにする。
3)可能であれば、擦式アルコール消毒薬の準備をお願いします。
上記、[医師側]ならびに[児童生徒側・学校側の準備]の項目は「例」であって、これにとらわれることなく、接触・飛沫感染予防対策を十分に行い、「感染リスクを低減させるための3つの条件」を満たす環境を整えることができれば、他の方法を行うことを妨げるものではありません。
◆「結膜炎」と診断した場合について
海外の報告では、COVID-19 肺炎患者30例で涙液と結膜擦過 PCR を施行し、1例のみにおいていずれも陽性反応を示すと同時に結膜炎を生じていたものや1099例の COVID-19 肺炎患者における臨床症状の検討では0.9%に 「結膜充血」がみられたとの報告があります。
なお、これらの報告はいずれもCOVID19 肺炎患者であることを考慮ください。
また、日本における無症候性感染者を含めたCOVID-19 陽性者に、どれだけ結膜炎が生じるか、などの疫学的調査についての報告は令和2年3月24日現在ありません。