【重要】新型コロナウイルス感染対策⑤コロナストレスとは?
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行下における、 こころの健康維持のコツ :先の見えない中であっても、日常の生活リズムには気をつけよう
本文は、以下の国際学会により共同で発表され、世界中の言語に翻訳されている提言 の日本語翻訳版です。
引用先:日本語訳:宗未来(東京歯科大学) *本提言「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行下におけ る、こころの健康維持のコツ」
・国際双極性障害学会:時間生物学・時間療法タスクフォース (International Society for Bipolar Disorders; ISBD) ・光療法・生物リズム学会 (the Society for Light Treatment and Biologic Rhythms; SLTBR) 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行(パン デミック)は、世界中で深刻な健康上の脅威を引き起こしていま す。そして、その対策として各国政府は、自宅待機や自主隔離、 社会的距離の確保など様々な施策を打ち出しています。
それらの対策は、医学的には感染拡大を抑えるために不可欠ですが、こうした慣れない生活スタイルが新たにはじまることは、こころの健 康を保つために必要な日常生活上のバランスを大きく崩してしまう危険性があります。
こころ穏やかに過ごすために役立っている、最も重要な脳のメカニズムのひとつが、 “体内時計”と呼ばれるものです。
この体内時計の存在のおかげで、24 時間周期の 朝・夜の繰り返しに合わせて、私たちの体調や行動は連動できています。
更に、計画 的で安定したスケジュールや一定の日常生活リズムは、その体内時計の働きをスムー ズにすることでも知られています。
体内時計がスムーズに働くと、私たちは心地よさを感じられるようにできています。
反対に、体内時計が乱れると、うつ病や糖尿病、肥満やがんなど多岐にわたる心身の 状態が悪化することも研究で示されています。
新型コロナウイルス感染症の世界的大流行のような生活を激変させる出来事に直面 すると、私たちの体内時計は乱れやすくなるだけでなく、一度乱れたその体内時計を 適切なリズムに戻すことも難しくなることがわかっています。
特に、仕事や子育て、 人との関わりといった、一定のリズムで毎日決まって行ってきた社会的活動(日課) が失われると、体内時計が変調をきたし、正しく作動しなくなってしまいます。
結果 として、不眠や食欲低下、元気がなくなったり、つらい気分に陥ったりといった、時 差ぼけに似たような不快な心身の症状が生じてきます。
特に、うつ病や双極性障害のようなこころの病気を患っている方は、体内時計が健 康な方よりも乱れやすいことが研究によってわかっています。
実際に、これまでの生 活スタイルが変化せざるを得ない状況に陥ると、体内時計が正確な時を刻めなくなり、 その体内時計の乱れがうつ状態(もしくは躁状態)の出現などの気分悪化につながりやすくなるのです。
反対に毎日を規則正しく過ごすように気をつけることは、ストレス下であっても体内時計を正確に働かせ、気分を安定させるためにとても役立ちま す。
たとえ新型コロナウイルス感染症の世界的大流行のように、生活が混乱している最 中であっても、体内時計が正確に働くように努めることで、つらい気分をやわらげる ことができます。
ここでは、どんなに非日常な出来事であふれていたとしても、医学 的根拠に基づいた規則的な日常生活を送るために役立つ、誰でもすぐはじめられる簡 単なポイントをいくつかご紹介します。
日常生活を規則的に送るための自己管理術 ・ 自宅待機や在宅勤務であっても、自分自身で毎日決まって行う日課を設定しま しょう。
そうすることで、あなたの体内時計は安定して働くようになります。