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「網脈絡膜の生体イメージング・基礎から臨床、そして人工知能へ」

第123回日本眼科学会総会

特別講演 小椋祐一郎先生(名古屋市立大)

「網脈絡膜の生体イメージング・基礎から臨床、そして人工知能へ」

先生のグループは1993年に核染色色素のアグリジンオレンジと走査型レーザー検眼鏡を用いて、網膜微小循環における白血球(WBC)の生体イメージングに世界で初めて成功されました。 その結果、糖尿病性網膜症(DMR)では非常に早期から網膜毛細血管にWBCが閉塞を引き起こすためDMR発症の契機になることが考えられました。 また、超広角カメラの登場により、眼底の80%(200度)が一回で撮影可能となり、DMRが周辺か後極部にいづれかに著明であるかにあるかに分類し、周辺型ではよりDMRが進行し易いことがわかりました。また、インドシアニングリーン(ICG)蛍光色素を用いて超広角カメラで脈絡膜血管を撮影することで、中心性網脈絡膜症や原田病の病態を観察する上で更に深く進められるようになりました。 光干渉断層血管撮影の登場により造影剤を必要とせずに網脈絡膜の微小循環を画像化できるようになりました。先生方のグループは中心窩無血管帯(foveal avascular zone, FAZ)がDMRの患者さんでは拡大している事、その結果が虚血の進行状況に役立つ事、また、糖尿病黄斑浮腫に網膜深層の毛細血管瘤が関与しているなどをつきとめました。さらに、以上のような画像を人工知能に学習させる事で病名の診断やさらには一枚の眼底写真から性別、年齢、喫煙歴など様々な情報を高い確率で診断できる可能性についてお示しくださいました。 先生は手術はもとより、学術においても大変ご高名で先生の足跡を一部分でも拝聴することができ大変素晴らしい学会参加となりました。

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この記事を監修した医師

おおるり眼科クリニック院長
 鈴木徹
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