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コンタクトレンズで失明?

コンタクトレンズを正しく扱わないと重い視力障害や失明、ひいては眼球を失うことも。。

冒頭に大変ショッキングなことを述べましたが、コンタクトを正しく装用しないと感染性角膜炎や失明なとの可能性があることを日本コンタクトレンズ学会の重症例から知ることができます。  

コンタクトレンズは日用品?雑貨?

皆さんの中にはコンタクトレンズを日用品、雑貨と勘違いされている方がいらっしゃいます。 コンタクトレンズは高度医療管理機器といって、ペースメーカー(心臓がうまく働かない人の体に植え込むことで心臓の動きを助ける機械)と同じクラスⅢの分類に属しています。 ということは、慎重に扱わないと体への影響が大きいということになります。 合わせて読んでいただきたい:ソフトコンタクトレンズとアカントアメーバについて Part1

コンタクトのトラブルってどのくらいあるの?

コンタクトのトラブルは日本で年間3〜5万人発症していると推計されています。ほとんどがコンタクトレンズが原因であることを示しています。

なぜトラブルは起きるの?

目の表面は涙と角膜上皮から守られているので通常であれば感染性角膜炎を起こすことは少ないのです。しかし、コンタクトレンズ装用者においては①「コンタクトの汚れや傷、アレルギーによる角膜への負担」と②「コンタクトやコンタクトケース及び保存液に存在する微生物」という2つの条件が重なると、感染性角膜炎が引き起こされるのです。 [caption id="attachment_4601" align="alignnone" width="278"] 水中に生息する微生物・アカントアメーバによる角膜感染症[/caption] [caption id="attachment_4602" align="alignnone" width="266"] コンタクトレンズの表面に付着した汚れ(主にタンパク質)が抗原となって引き起こされるアレルギーの過剰な反応で上まぶたの裏側に巨大な結膜乳頭増殖が生じる。[/caption]

コンタクトの定期検診は必要ない?

コンタクトレンズを雑貨店やインターネット経由で購入している方の中にはコンタクトの定期検診は必要ないと思っている方がいらっしゃいます。 本当にそれでいいのでしょうか? 答えはNOです。 コンタクトレンズを装用している方は定期的に目とレンズのチェックを受けることが重要です。成長期や生活環境の変化により眼の状態は変化します。眼科で処方したきり、一度も定期検診を受けず長年、量販店やインターネット等で購入している方が眼の不調を訴えて来院される多くの場合、角膜潰瘍や角膜びらん、角膜上皮障害、重篤なアレルギー性結膜炎、角膜血管新生等の症状があり、治療が困難なケースもあります。

コンタクトトラブルを防ぐには?

正しい装用の知識を持つことです。目に痛みや充血がない場合、目の不調は分かりにくいものです。当院に来院された患者さんの中に勝手にコンタクトレンズの度数を決めて、インターネットで長年購入されていた方が「最近よく見えない」とのことで来院されました。その方は眼科医の元でコンタクトレンズのフィッテイングの診察を受けていない為、ご自身の判断でコンタクトを選択して装用していました。ご自身の目の形状(カーブ)とコンタクトの形状(カーブ)が合っていなかったため、その方の目のカーブが鋭角な形状となって視力に影響を与えていました。カーブが合っていなくても視力は出ますし、痛みも感じないかもしれません。しかし、長年そのような状態でコンタクトを装用することは大変危険なことであることは分かるはずです。あなたの目の形状とコンタクトの形状があっていないということは、あなたの足のサイズが23センチなのに、21センチの靴を履かされているのと同じことなのです。あなたは小さい靴をずっと履いていられますか?

当院の取り組み

当院のコンタクト外来ではコンタクトの処方までにいくつかの検査を行います。また、妊婦さん、授乳中の方へのコンタクトレンズの処方は行っておりません。それは、コンタクトレンズによる眼疾患の治療に際し、抗菌剤の頻回点眼や点滴が必要になる場合があり、胎児や乳児への影響が懸念されるためです。妊婦さん、授乳中の方で現在コンタクトレンズを使用している方は、しばらくコンタクトレンズの休止をお勧めしています。受験生への処方も行っておりません。なぜなら、難治症例で治療が長引くと受験どころではなくなるからです。

当院のコンタクトレンズ外来の流れ

1:近視や遠視、乱視の度数と眼の表面の丸みを調べる 2:角膜内皮細胞数測定(角膜内皮細胞とは角膜の一番奥にある大切な細胞で角膜を透明に保つ働きをしています) 3:角膜形状測定 4:視力測定 5:遠近測定(40代前後の方) <目に他の病気がないか調べる検査> 6:眼底カメラ 7:眼圧測定 8:医師の診察 9:レンズ選び 10:フィッティング(装用テスト) 11:度数合わせ 12:無料お試し 13:お試し期間終了後、OKなら診察後に購入 以上、最初のコンタクトレンズ購入まで11の検査と2度の診察があります。時間も掛かります。しかし、冒頭にも述べましたようにコンタクトレンズは心臓に装着するペースメーカーと同類の高度医療管理機器です。慎重に扱ってください。 あなたの目の健康のために、コンタクトレンズに関する正しい知識をお伝えしていくことが私たちの責務です。当院でコンタクトを作りたいと考えていらっしゃる方は必ずコンタクトレンズ装用のルールをお守りください。 文章監修:鈴木徹(眼科専門医)

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