ERG検査(網膜電図)とは?網膜の働きを調べる眼科検査
ERG検査は、目に光を当てたときの網膜の反応を記録する検査です。
日本語では網膜電図検査といいます。
網膜は、目の奥にある「ものを見るために大切な部分」です。
カメラでたとえると、フィルムやセンサーにあたります。
ERG検査では、この網膜が光に反応しているかを調べます。
全視野精密網膜電図
見えにくさの原因が網膜に関係しているかを調べるために、ERG検査を行うことがあります。
ERG検査でわかること
ERG検査では、網膜全体の反応を確認します。 視力検査のように「どのくらい見えるか」を調べる検査ではなく、網膜そのものが光に反応しているかを見る検査です。 網膜には、暗いところで働く細胞と、明るいところや色の見え方に関係する細胞があります。 それぞれの反応を確認することで、病気の診断や経過の確認に役立てます。| 網膜の細胞 | 主な働き | 関係する症状 |
|---|---|---|
| 杆体 | 暗いところで見る働きに関係します。 | 働きが弱くなると、暗い場所で見えにくくなることがあります。 |
| 錐体 | 明るいところでの見え方や色の見え方に関係します。 | 働きが弱くなると、まぶしさや見えにくさを感じることがあります。 |
ERG検査を行うことがある主な病気
ERG検査は、すべての患者さんに行う検査ではありません。 診察やほかの検査の結果から、網膜の反応を詳しく調べる必要がある場合に行います。眼底が見えにくい場合
角膜の濁り、白内障、硝子体の濁りなどがあると、目の奥にある網膜が見えにくいことがあります。 そのような場合に、網膜が光に反応しているかを確認する目的でERG検査を行うことがあります。眼底がはっきり見えない場合でも、ERG検査によって網膜の反応を確認できることがあります。
暗いところで見えにくい場合
暗い場所で見えにくい、夕方や夜に歩きにくい、暗い場所に慣れるまで時間がかかる場合は、夜盲症に関係する病気を考えることがあります。 代表的な病気には、次のようなものがあります。- 網膜色素変性症
- 無色素性網膜色素変性症
- 小口病
- 白点状眼底
- 先天停止夜盲
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明るいところでまぶしさを感じる場合
明るい場所でまぶしい、昼間のほうが見えにくい、色の見え方に違和感がある場合は、錐体という細胞の働きに関係する病気を考えることがあります。 代表的な病気には、次のようなものがあります。- 錐体ジストロフィー
- 杆体一色型色覚
網膜の血流が悪くなる病気
網膜は、血流の影響を受けやすい部分です。 糖尿病網膜症や網膜動脈閉塞症などでは、網膜の反応が弱くなることがあります。| 病気・状態 | ERG検査で確認すること |
|---|---|
| 糖尿病網膜症 | 網膜の働きが弱くなっていないかを確認する参考になります。 |
| 網膜中心動脈閉塞症 | 網膜に十分な血液が届かなくなるため、反応が弱くなることがあります。 |
| 高安病など血管に関係する病気 | 網膜の血流に影響が出ていないかを確認する参考になります。 |
ERG検査でわかりにくい病気もあります
ERG検査は、網膜の反応を調べる大切な検査ですが、この検査だけですべての目の病気がわかるわけではありません。緑内障はERGだけでは判断できません
緑内障は、主に視神経に関係する病気です。 ERG検査では網膜全体の反応を見るため、緑内障があっても正常に近い結果になることがあります。ERG検査が正常でも、緑内障ではないとは言い切れません。 緑内障は、眼圧検査、眼底検査、OCT検査、視野検査などを組み合わせて判断します。
黄斑の病気では正常に出ることがあります
黄斑は、網膜の中心にある大切な部分です。 加齢黄斑変性や黄斑前膜など、黄斑だけに病気がある場合、通常のERG検査では異常が出にくいことがあります。 そのため、黄斑の病気が疑われる場合は、OCT検査や眼底検査などもあわせて確認します。ERG検査は診断や経過観察に役立ちます
ERG検査の結果は、網膜の病気を診断するときや、病気の進み具合を確認するときの参考になります。 特に、網膜色素変性症などの網膜疾患では、見え方、視野検査、眼底検査、OCT検査などとあわせて、総合的に判断することが大切です。ERG検査は、見えにくさの原因を考えるうえで、大切な情報のひとつになります。
検査を受けるときの注意点
ERG検査では、目に光を当てて反応を記録します。 検査の方法は、使用する機器や検査の目的によって異なります。- 検査中にまぶしさを感じることがあります。
- 散瞳薬を使う場合があります。
- 検査後、しばらくまぶしさや見えにくさが残ることがあります。
- 車の運転については、事前に確認してください。
まとめ
ERG検査は、網膜が光に反応しているかを調べる検査です。 夜盲症、網膜色素変性症、錐体ジストロフィー、糖尿病網膜症、網膜動脈閉塞症などの評価に役立つことがあります。 ただし、ERG検査だけで目の病気をすべて判断することはできません。 診察やほかの検査結果とあわせて、総合的に判断します。あわせて読みたい: 遺伝性網膜疾患診療のコツ
文章監修:鈴木徹(眼科専門医)
