「まつ毛洗い」で目もとのトラブルを防止できるって知っていますか?
「まつ毛洗い」で目もとのトラブルを防止できるって知っていますか?
近年、まつげエクステや「目力」をつけるアイメイクなど、目もと環境は大変なことになっています。
実はこの症状、高齢の方にも起きています。高齢の方の目元は加齢とともにまぶたが弛む、目ヤニ・涙が出やすいとか、その反対に乾きやすいなどの変化があります。それに加え、視力が低下することで自分の顔がよく見えないため顔の手入れがおろそかになるなど、目の周りは不衛生な環境になっています。
目もとが不衛生になるとどうなるの?
上の写真は目もとが「目ヤニ・あか」でおおわれて汚れています。
目ヤニは朝起きたときに 目頭 や 目尻 につきます。年を重ねると涙を排出する機能が衰えるので目ヤニが目頭だけでなく、まつ毛の根もとにやホコリなどと一緒に溜まりやすくなります。
ご高齢の方は特に新陳代謝が落ちているため目の周りが汚れやすくなります。
目ヤニが目の周りにつくと、そこに雑菌が繁殖して、炎症の原因となります。
まつ毛ダニとは?
まつ毛ダニをご存知ですか?
「まつ毛ダニ」は目やにをエサにしています。目の周りが不衛生になると「まつ毛ダニ」が繁殖しやすくなります。
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目の炎症を放置しておくと。。。
この状態を放置しておくと、マイボーム腺炎と言った炎症を生じ、ドライアイや眼瞼皮膚炎、ものもらいの原因となります。
一旦、ドライアイを発症すると目の異物感が強くなり、目の疲れや充血を引き起こします。
ドライアイは治療に時間が掛かることが多く、その間、目の不調が持続する、また視力低下につながることもあります。
若い方はアイシャドウやまつ毛のエクステなどで目の周りがもともと汚れやすい環境にあり、スマホを長時間見たり、仕事がパソコン業務が多い方などはまばたきの回数が減る為、涙の循環が不十分となり、涙が蒸発しやすくなるためよりドライアイが深刻化します。
このため、ひどい時には頭痛や目の奥の痛みや体調不良を引き起こすこともあります。
対策
目ヤニは水やお湯だけでは取れにくく、石鹸で周りを洗えばいいのですが、石鹸などの洗顔料は目に刺激があるため目の周りの細部まで洗うことは難しいです。
診察室で目の不調を訴えて来院される方が多くいらっしゃいますが、診察をすると、皆さん目の周りの汚れが強い事が多いようです。
このような方に一日一回から2回の「まつ毛シャンプー」をお勧めし、目の潤いを保つ点眼や涙の量を改善してくれる点眼を処方すると一ヶ月ほどで目の周りの汚れはキレイになり、目の不調や体調不良が多くの患者さんで改善が見られました。
そこで当院では「まつ毛シャンプー」をお勧めしています。
アメリカではリットハイジーン(Lid=目もと Hygiene=衛生的にする)がスキンケアとして確立しています。目元を清潔にすることでまつ毛や目元が健康的になることが知られています。
また、上の写真の患者さんはまつ毛の周辺の環境がかなり良くなったため、まつ毛の本数が増え、まつ毛も伸びるといった効果も見られました。
まつ毛エクステで注意すること
まつ毛のエクステはまつ毛自体にかける負担が大きく、まつ毛が抜ける原因ともなっています。まつ毛のエクステをされている方はエクステが取れてしまうことを恐れて、まつ毛の周りをしっかりと洗えないという声を伺いますが、そのような環境はまつ毛やその周辺の皮膚にとっては厳しい環境になります。ですので、「まつ毛シャンプー」を使用してキチンとしていただければと思います。
まつ毛シャンプーに関するご相談は当院窓口までお気軽にお問い合わせください。
合わせて読んでいただきたい:ドライアイ対策「まぶたの清潔」
最後にあなたの「目もと」「まつげ」をチェックしましょう!
いくつ当てはまりますか?
□なんとなく目がゴロゴロしたり、不快感がある
□目ヤニがたまりやすい
□目や目の周りがかゆくなる
□ものもらいができやすい
□充血しやすい
□朝、目が開けにくい
□アイメイクをすっきり落としきれない
□まつ毛のエクステやつけまつ毛をしている
□最近、まつ毛が切れたり、まつ毛が減ってさみしくなった
□まつ毛ダニが心配
ひとつでも当てはまればまつ毛シャンプーをお勧めします!
ふたつ以上ある場合はまつ毛シャンプーを朝晩の習慣にしてください!
文章監修:鈴木徹(眼科専門医)