医院からのお知らせ

news

ホーム 医院からのお知らせ 遠州地区眼科スタッフ勉強会 事務長レポート

遠州地区眼科スタッフ勉強会 事務長レポート

2019.08.03 (土) 16:00~18:00 スタッフ5名、院長、事務長参加 本日の公演は医療従事者も対象としてくれていたので、事務長の私も参加いたしました。小児の斜視弱視の早期発見には何が必要か、そして私たち医療従事者として何ができるのか。じっくり拝聴してきましたので、取り急ぎご報告いたします。   「調節性内斜視の一例」 刈谷豊田総合病院 視能訓練士 中久保由貴氏 3歳5ヶ月の男児 内斜視 Q.低年齢の治療の場合、斜視治療と弱視治療のどちらを優先すべきか? A. 低年齢での強い斜視の場合、どうしても強い弱視の場合が多い。繰り返し調節麻痺薬を使って、処置を行っていく Q.弱視治療を優先した時の斜視手術時期 Q.視力左右差ある両岸屈折異常弱視である場合の弱視治療(健眼遮蔽など)   「偏心固視を伴う斜視弱視に不同視も合併した難治療症例」 堀眼科クリニック視能訓練士 岩谷慎也氏   愛知医科大学病院 視能訓練士 水本強一氏   講演「斜視の検査」視能訓練士 稲垣理佐子氏 斜視の検査は一般開業医にはあまり来ないからと言うが、大学病院に来る前には必ず地域の開業医に行っている。 そこで適切な検査の仕方を紹介 ・眼位検査(定性・定量) ・Hirschberg試験:乳幼児で斜視検査ができないときに行う。年齢が小さいので検査をいきなり始めない。検査に慣れてから始めないと目を見せてもらえない。遊びを一通りした後、検査を開始する。 ・Krimsky試験 ・遮へい試験 ・遮へいー遮へい除去試験:遮へいでは斜視の有無がわかる。 遮へい除去では偽内斜視   斜視弱視検査の何が難しいのか。 Hirschberg試験は単純検査ゆえ簡単 遮へいー遮へい除去試験 交代遮へい試験   乳幼児の内斜視の眼球運動検査のポイント 外転制限の有無 乳幼児の場合は眼球運動検査   最近のトピックス デジタルデバイスと急性内斜視 スマホの普及により急性内斜視の増加が疑われている 長時間の近見作業により急性内斜視になりやすい。時々二重に見えているが、休憩を挟むと治る。その頻度が多くなる。後天性の内斜視。(そんなに急性内斜視ではない。急性内斜視の場合は朝起きた時に急にフラフラして目が回る)   治療として ・長時間のデジタルデバイスをやめる ・M RIで頭の状態をまず見る ・プリズムを希望するケースが多いが、多いプリズムになるとそれでは難しい。 ・近視の方は眼鏡をかけない場合があるが、装用することを奨励しています。 ・ボツリヌス治療で良くなるケースも。 ・それでも難しい場合は手術となる。 日本弱視斜視学会ではスタディをはじめている。 浜松医大では急性内斜視(後発性内斜視)の症例がある場合は紹介してほしいとのことでした  

特別講演

「弱視の診断と治療」 浜松医科大学 佐藤美保教授  *弱視とは? 赤ちゃんの視力の発達は0.01-0.05目の前のものがぼんやりとしている半年ぐらいで人の顔も目鼻立ちがわかる。視線がそろう。生後半年で視線がそろわない場合は早い受診をされるようになる。 一切から2歳で上手にピント合わせができる。3歳から5歳で両眼視が上手にできる。 見たものしか反応しない。ネコに縦縞だけを見せて生育させたネコは縦縞に反応して横じまには反応しない。 視覚中枢の細胞には方向を認識する細胞がある。 子どもの弱視は脳に病気がなくても視力が出ない。 社会的弱視:ロービジョン 視力が著しく不良で日常生活に困る。学校生活や福祉での配慮が必要 医学的弱視:目に病気がなくても斜視や弱視などで子供の頃に両目を均等に使わなかったためにはっきり見ない状態。治療で良くなる場合が多い *原因 斜視 著しい屈折異常、主に遠視や乱視 不同視左右で著しい屈折の差 子供の頃の片目かくし(長期間の眼帯など一週間程度) 予防は早期発見、早期治療が大切 弱視は片眼の異常か? 左右眼の異常相互作用によっておきる:いい方の目にも何らかの異常があることが多い。   抑制の範囲とは? 黄斑部のところで見ていない。抑制が小さい場合は見える。 抑制を外して見えるようにしてあげる。ただ、抑制は適応状態であるのでむやみに取るわけではない。 乳幼児の斜視;早期発見で訓練をする。 小児の白内障:先天性白内障などの形態遮断があれば弱視につながります。(微細な先天性白内障でも) 弱視の年齢別起因:赤ちゃんの時は斜視弱視3歳以降で不同視弱視になっていく。5歳児ぐらいからの弱視は不同視と斜視が原因   弱視の発見方法の歴史 1961年 三歳児健康診査スタート(問診のみ) 1962年 大阪府小中学性弱視検診成績 1990年 乳幼児眼科検診の体系化に関する研究 日本は小児のスクリーニングに関しては世界的には最先端 弱視は視覚感受性期間内に発見したい。:重度の弱視では5歳から7歳に治療した場合に比べ3歳~5歳に治療した場合視力の反応は良好。 2017年 三歳児健診における適切な視力検査の実施   三歳児健診診査における視力検査の重要性を伝えること 家庭で視力検査ができなかった場合、集団検査でスクリーニングとなる。 その時、0.5以上見えなかった場合は専門医を受診   視力検査はいつやるか? 3歳~3歳6ヶ月で半数以上。   三歳児健診で何が主に見つかるか? 屈折異常 屈折弱視 斜位や斜視 検診受診者と異常発見者数:要精密検査のうち70%しか受診していない。その他30%は見逃されている。この方達をどのように眼科受診までもっていくか。。。 浜松市では小児科医が乳児健診(目の検診も)をおこなっていて、目の健康チェックを行わなければいけない。小児科医では瞳孔不動や斜視などのスクリーニングは難しいとのこと。小児科医に検診の仕方を教えている。   スポットビジョンスクリーナー(以下、SVSとします。静岡県は保有率が高い)当院も保有している。 *SVSの特徴 6か月以上で記録が可能 ・要精密検査率が高い ・偽陰性は少ない 屈折異常の検出が多い *SVSでのタイムアウト(目がキョロキョロ動いて検査ができない)は以上のサイン6ヶ月以上のお子さんでは通常SVSで検査ができる。そうでない場合は何らかの異常、病気が潜んでいる可能性が高い。 特に3歳児でSVS検査は有用 アメリカのスクリーニング計画では乳幼児の検査をシスティマティックに計画されている。redrifrectとSVSが特に重要視されている。 *従来の問診と視力検査とSVS(他覚的検査)を合わせると精度が高くなる。 *SVSでは検出されない症例。(白内障などがある場合)スポットで見逃すケースもあることも頭に入れておく。   *弱視の診断基準 視力の評価ができた時 *弱視の治療 調節麻痺下屈折検査 メガネ処方 点眼遮へい アトロピン療法もしくは健眼遮へいによる弱視眼の視力訓練 アトロピンは1~2回/週の投与 程度により回数、時間を変える アイパッチをしていれば寝る以外の活動は有効 視力の改善が止まり終了する前はラストスパートの治療を行う 学童期の弱視も治るケースもあるが難しい。 完全矯正と低矯正で最終視力に差はないが内、ただ斜視がある場合は完全矯正をしないといけない。   弱視治療の終わり方 治療を終了した患者さんの24%が視力低下している 遮へいをやめても2年は経過観察が必要。斜視弱視が顕在化してくるリスクがあるため   iPadで両眼解放でのビデオゲームは効果は残念ながらない   弱視の診断と治療最後に 健診の充実で早期発見、早期治療 EBMに基づいた新しい情報が必要 保護者他職種との連携がさらに重要   アトロピン治療について 夏のアトロピン治療は副作用として発熱があるので涼しくなった九月ごろに行うケースが多い。 アトロピンは一日一回、(様々あるが、副作用により、その場合は一回)浜松医大は一回点眼をしている。

この記事を見た人は、こんな記事を見ています

モバイルバージョンを終了