春季カタル
概要
10才前後男児(特にアトピー体質では好発しやすい)に好発する結膜の増殖性変化を特徴とし重症化しやすい。(アレルギー性結膜炎の重症型)
原因
アレルギー炎症により結膜から組織障害性蛋白が放出され、この物質により角膜が障害されたり結膜上皮の過形成、様々な炎症細胞の浸潤により眼瞼結膜の乳頭増殖、結膜肥厚、角膜輪部結膜の腫脹が生じてきます。
症状
- 充血
- 眼脂(目やに)
- 異物感
- まぶしさ
- 流涙
- 疼痛が強くなり開瞼困難
- 視力低下
検査
視力検査
細隙灯検査および生体染色検査
春季カタルの増殖期には上まぶた(上眼瞼)の結膜に石垣状の乳頭増殖を認めたり(眼瞼型)、角膜輪部に堤防状増殖や斑状隆起(トランタス斑といいます)を発生します(輪部型)。及びそれらが混在する混合型があり、結膜、角膜の状態を観察します。
治療
軽症例
軽症例に対しては抗アレルギー点眼薬を使用したり、かゆみに対してはまぶた(眼瞼)の上からクーリングすることもある程度有効です。また、人工涙液の点眼によって結膜嚢内のアレルギー抗原の希釈を行います。
増悪期
増悪期には抗アレルギー剤点眼では不十分なためステロイド点眼や免疫抑制剤の点眼を行います。また角膜障害(びらんや潰瘍)を生じたケースでは抗菌剤の点眼や軟膏の点入を行います。
対策
ステロイド点眼や免疫抑制剤の点眼は大変有効ですがステロイドによる眼圧上昇や感染の合併、免疫抑制剤使用による感染の合併のリスクがあるため必ず定期的に眼科専門医による診察を受けてください。
また、かゆみによってまぶた(眼瞼)をこすったりすると眼瞼皮膚炎を生じることもあるため、帰宅時は手洗い、うがい、洗顔をしましょう。
かゆみの強い時はこすらずに冷却したおしぼり等でまぶたを冷やしてください。