電気性眼炎、眼化学症
概要
電気性眼炎では溶接作業時に発症するUV(紫外線)や冬山登山、スキー等で直接UVを浴びる事で生じる表層性の角膜炎です。
眼化学外傷は酸やアルカリ等の薬剤(洗剤、毛染め薬等)が眼に飛入する事で生じる角膜、結膜の障害です。
原因
薬剤特にアルカリでは脂質親和性が高いため、細胞膜の障害や組織侵襲が強く酸に比べ重症化し易くなります。
症状
- 視力低下
- 眼痛
- 充血
- 流涙
- 眼瞼腫脹等
検査
視力検査
細隙灯検査検査
生体染色検査で前眼部の状態を調べます
治療
電気性眼炎は感染予防のため抗菌剤の点眼を行います。 ほとんどが数日で軽快します。
眼化学外傷では応急処置として受傷後直ちに5分以上流水で洗眼してください。 その後、速やかに受診され生理食塩水でさらに洗浄します。
その後、抗菌剤点眼(感染予防)、ステロイド点眼、内服点滴(消炎)等を行います。
角膜上皮欠損の遷延例や高度炎症が持続する例では外科的治療として角膜上皮移植や羊膜移植術を施行する事もあります。
対策
溶接による電気性眼炎では角膜鉄片異物を伴っているケースもあるため、必ず早期に眼科専門医に受診してください。
眼化学外傷の重症例では眼瞼皮膚の外傷により兎眼や内反症により二次的に角膜裂孔を生じだり、ステロイド治療の長期化により続発性緑内障を引き起こす事もあるため定期的に受診が必要です。