眼瞼腫瘍(まぶたの腫瘍)
概要
まぶたにできる腫瘍には良性腫瘍と悪性腫瘍があります。悪性腫瘍は緊急手術が必要です。良性腫瘍は経過観察で良いのですが、気になる場合は切除します。問題は悪性腫瘍ですが、若い人では稀で高齢者に多くみられます。ものもらいとよく似ていることもあるので注意が必要です。
原因
老人性角化症(イボ)
高齢者のまぶたに生じるイボのことで約20%の確率で癌に移行することもあるため、経過観察が必要です。癌の疑いの場合は皮膚科や形成外科に紹介することもあります。
基底細胞癌(きていさいぼうがん)
高齢者に多くみられます。色素沈着をともなって進行すると皮膚に潰瘍(かいよう:皮膚のただれ)を作ります。
扁平上皮癌(へんぺいじょうひがん)
硬く盛り上がったような腫瘤(こぶ状)で赤みがあり表面が凸凹しています。増大傾向が強く進行するとリンパ節に転移します。
脂腺癌(しせんがん)
まぶたに多くみられ病気の早い段階ではものもらいに間違えられやすいです。やはり高齢者に多く、霰粒腫などと診断され手術されることもあります。高齢者で治りが悪く皮膚にびらんや潰瘍(ただれ)を生じている場合は脂腺癌を疑います。
症状
- まぶたの何かできる
検査
眼科にて診察
治療
眼科治療
明らかに「ものもらい」であれば抗生剤やステロイドの点眼や軟膏で治療します。癌が疑われた場合は腫瘍を含め周りのまぶたの組織を眼科もしくは形成外科で大きく切除することが必要です。大きくまぶたを切除するため、まぶたの再建術が必要となることがあります。その他には放射線治療を行うこともあるため内科や放射線科との連携が必要となることがあります。