取り組み
efforts
おおるり眼科の取り組み
ひとの視力は生きている過程の中でいくつかの変化があります。乳幼児期と学生期、そして成人〜老齢期です。乳幼児期や学生期の節目で保護者の方はお子さんの様子を観察し適切な処置を行ってください。その後は自身で見え方の変化を確認する事が大切です。おおるり眼科クリニックは地域の皆さんの目の健康維持のために特に大切な3つの取り組みを掲げています。子どもの頃に適切なケアをする事で良好な視力を保つことは大切です。また、色覚検査を行う事で将来の職業選択において適切な判断をすることもできます。緑内障で症状を自覚した時は病状はかなり進行しています。これらを踏まえ、それぞれの成長や人生の過程において眼科検査を受けて行くことは大切な将来設計となります。
成人病予防とケア
糖尿病性網膜症
日本では糖尿病が強く疑われる方は約1,000万人と推計され、予備軍の方も大勢います。近年は成人病予防やメタボリック関連商品の周知などにより、糖尿病の理解が進み増加が抑えられています。ただし、糖尿病になってしまった患者さんは適切な管理を行う必要があります。糖尿病網膜症(糖尿病が原因で発症する)の早期発見には、眼科医・内科医との連携が必要で、適切な治療には患者さんの診療放置・中断をいかに防ぐことが大切になっています。当院では糖尿病患者さんには「糖尿病眼手帳」を発行し、定期的な眼底検査を継続、記録しています。患者さんは内科クリニックで発行された「糖尿病手帳」と当院の「糖尿病眼手帳」を通院時に提出することで眼合併症の診断・検査・治療に関する最新情報を内科医と連携共有しています。
40歳以上の患者さんのスクリーニング
緑内障は、成人失明原因の第1位となっています。近年、40歳以上の日本人の20人に1人の割合の方が緑内障と診断されており、有病率は加齢とともに増加する傾向とされ、高齢化社会においては今後増加傾向は続くと懸念されています。緑内障と診断されている患者さんの割合は全体の1割に過ぎません。多くの場合はそのまま過ごされている様です。当院では40歳以上の方、強度近視の方、近親者に緑内障と診断された方には検査を勧め、緑内障の傾向がある方や緑内障と診断された方の継続的な診察を行い、進行を遅らせるような治療を行なっています。当院はFDT(早期緑内障スクリーナー)その他特殊検査機器を用い緑内障を早期発見しています。定期的なハンフリー静的視野検査計を繰り返し行うことにより時系列で病状を解析し、患者さんの緑内障の進行状況を観察、把握しています。緑内障は一旦進行してしまうと元には戻りません。定期的な検査で病状を把握し、正しい治療を受けることが賢明です。当院の緑内障患者さんはご自身の病気を理解し管理しているため安心して検査に望んでいらっしゃいます。
学校保険委員としての取り組み
色覚検査の実施
子どもたちが生涯、健康で自立した生活を送る事ができる力を身につけるために学校保険委員として市内の小中高生の目の健康に対する取り組みを行なっています。平成15年より学校での色覚検査は定期健康診断から削除され、希望者への検査へと移行しました。平成26年4月30日に文部科学省から学校保健安全法施行規則の一部改正等についての文書が通達され、島田市内の学校においても色覚検査が適正に実施できるよう、院長は学校保険委員として市の職員の方々および市民病院の視能訓練士の方と協議を重ね、市内の色覚検査の体制を整えました。色弱は「右利き」「左利き」という程度の個性です。保護者および子どもたちに正しい色覚障害の認識を持ってもらうことで子ども達の将来計画に役立てる取り組みを続けていきます。院内の設備や掲示物、ホームページなどはカラーユニバーサルデザインを意識した配色を使い、なるべく多くの方が利用しやすい空間やサイト運営を心掛けています。
子どもの視生活環境の変化に対する取り組み
スポーツやその他の事情でコンタクトレンズを装用する学生の増加とIT機器の普及による小児期からの使用は子ども達の目の健康に大きな影響を与えています。コンタクトを雑貨店などで安易に購入、正しい取り扱いを知らない子ども達、特にカラーコンタクトに関する目のトラブルが問題となっています。また子どもの目は少なくとも15才までは眼球の大きさや形とともに見る機能や目を動かす機能も発達途上です。その時期に激しい目の動きや異次元のテレビゲームやSNSでのやりとりを長時間見続けることの影響は深刻です。IT眼症はこれらのIT機器の普及にともなう「目の疲れ」、「目が乾く」、「頭痛がする」などの眼症状に加え、全身的な症状に及ぶケースもあります。当院では子ども達の健康な目を守るために正しい知識を伝え、適切なコンタクトレンズやIT機器との関わりを取り組みの一環として指導していきます。
完全IT化に向けた改善
IT化はなぜ必要とされるのか
当院は平成17年に開院しました。当時から医事業務はレセプトコンピューターで電子化を行なっていましたが、電子カルテについては普及が低かったことから紙媒体で患者さんの検査、診察データを管理していました。その後、眼科電子カルテの開発が進み、オペレーション効率を向上させるため電子化への計画を立てました。ITの進化はスマホを例に目覚ましく、電子カルテにおいても同様です。その当時一番良いものを導入しても時間とともに技術が発達しより良いものが生産されます。当院は7年の間に3回システムを入替え、完全電子化を行うことに成功しました。これにより、医事、検査、診察それぞれの場面での効率化を達成し、患者さんの待ち時間の短縮となりました。
さらにその先の取り組み
平成30年1月、当院のオペレーションシステムは完全IT化となりました。しかし、一部、IT化が取り込めていない点があります。それははじめて当院を受診される方が書かれる「問診票」のデジタル化です。「問診票」のデジタル化には電子機器(パッド)を検討しています(現在、メーカーが開発中)。患者さんはパッドを利用して症状をチェック入力します。入力されたデータはすぐに当院の医事システムに転送されるためスタッフのカルテ入力の手間が省略され、効率の良い運営が可能となります。
ご高齢の方でパッドなどのデジタルデバイスは難しいと感じられる方には今まで通りの問診票への記入をお願いします。効率化だけを推し量るのではなく、臨機応変に対応をさせて頂きますのでご安心ください。今後は政府の指針でもある「遠隔医療」(医師と医師、医師と患者さんがインターネットを通じて医療患者情報を伝送し、診断、指示などの医療行為及び医療に関連した行為を行うこと)が拡散していく予定です。
眼科領域における「遠隔医療」は今後どの様な拡がりを見せるか、拡大のためには医療規制の緩和やシステムの基盤作りなど様々な問題の解決が必要になると思います。当院でも「遠隔医療」がどの様に患者さんの診療に優位なのかを知るために、学会参加、IT技術者やITサービス提供者による勉強会参加など、最新の技術やサービスの追求をしていきます。