お子さまの「読み書き」について

さくら眼科松久充子先生

本日はお子さまの「読み書き」について、

静岡市のさくら眼科院長、松久充子先生の「AERA with Kids」掲載の記事を紹介させていただきます。

松久先生は静岡市で一般の眼科診療のほか、学習障害の疑いのある子どもたちの診療・支援など積極的に行っています。

 

今回掲載の内容は以下に引用致します。

引用・・・・・

あまり馴染みのない「ディスレクシア」。周囲に理解されないままに「勉強が苦手」と思われている子も多い様です。学習障害にも詳しいさくら眼科の松久先生に「ディスクレシアとは何か」「見分け方」「具体的な対策」を教えていただきました。

 

実は多いディスレクシア、入学前が最初の気づきどき

 

ディスクレシアとは「読み書き」に対して不自由さを抱えている状態です。

英語圏においてはディスクレシア人口は10%〜15%といわれています。

正式な統計はありませんが日本でも人口の10%ほどがディスクレシアであると言われるほど、実はこの症状を抱えている人たちは非常に多いのですが、今まで気づかれなかったり誤解されてきたケースが多いのです。
 日本では認知度が低いディスクレシアですが、海外では様子が変わります。米国ではマルチメィアDAISY(mDAISY)化されていない教科書は採用されませんし、英国では小学校1年生の時に成績下位30%にmDAISYを使わせ、文字だけよりも理解しやすい児童には無料で支給されます。
 親が最初に気づくことができるのは4〜6歳です。このころ子どもは文字の存在に気づき、文字について質問をする様になります。自分や友達の名前に興味を示し、「文字と音(言語)」の関連に気がつき始めます。小学校入学前の6歳ごろにはほとんどのひらがなは理解できる様になります。この様な様子が見られないのがディスクレシアの子の特徴です。

 

特定の文字の読み書きが苦手なことも判断材料

 

次のポイントは小学1年生の秋頃です。2学期までに「きゃ」「ちゃ」などの小さい文字を伴った音や「てっぱん」などの小さい「つ」のある音、「おかあさん」など母音を伸ばした音、「ん」を伴った音などの読み書きができない場合は可能性が高いといえます。また、初めて見る文章の音読を嫌がる、飛ばし読みをする、書き順を含めた感じの習得が遅いなどの特徴も出ています。

 

まずは眼科で一般的な眼科検査を

 

 ディスクレシアかな?と思ったら、まず眼科で一般的な眼科検査を受けることをおすすめします。ここで遠視、弱視、両眼視(左右の目で見る力)など、目の機能として問題がないかを調べます。
 視機能に異常がない場合、ディスクレシアを判断するためには、「目の動き」「視覚での捉え方、記憶力」「音韻処理」「読みの速さ」「聴覚からの記憶と認知」など多岐にわたる検査をして、どの部分に原因があるのか詳しく調べることが必要になります。しかし実際のところ、これらの細かい検査を実施できる眼科の数は非常に限られています。
 検査を実施している私が言うのもおかしいかもしれませんが、私は、ディスクレシアと正式に診断を得る必要は必ずしもないと思っています。なぜなら、親が知らなければならないのは、「わが子が正式にディスクレシアかどうか」ということより、「自分の子どもにどのようなサポートが必要か」ということだからです。
 とはいえ、不安な方も多いでしょう。比較的受診しやすいものに、小児科、自治体などで実施している「WISC−Ⅳ」という知能検査があります。これは「児童用知能検査」ともいわれますが、「目で見て理解する力」「耳で聞いて作業する力」「筆記能力」など、学校の授業で使われる能力を見るためのテストです。このテストを受けることで、お子さんが不得意な部分、そして得意な部分がわかり、親は何をすべきか、一つの目安を知ることができます。

 

音の出る教科書を使えばもっと楽に勉強できる

 

 ディスクレシアの場合、文字と音の対応を習得するのが遅いので、カタカナ・漢字・英語と文字が増えるにつれ学習の遅れとして積み残しが増えていきます。ですから、文字と音がすでに一緒になっている教材を使うことが大きな助けになります。日本にもマルチメディア DAISYの教科書があり、診断がなくても「公益財団法人日本障害者リハビリテーション協会」に症状を申請すれば無料で提供されます。公立小中学校の教科書に対応していますので早めにこのような教材への変更が必要です。
 親ができる例としては文章に文節ごとにスラッシュを入れる、先に読んであげる、などをすることです。また漢字は「とめ・はね・はらい」など正確に書くことに固執せず、正しく使えることを目標とします。音声・キーボード入力など書く方法はたくさんありますし、大きくなればそちらが主流です。「正確な音での語彙」を増やし、正しい漢字を選択して文章にまとめることができれば将来困ることはありません。早期から対策を講じることで、その後の学力や進路は大きく変わるのです。・・・引用終わり